いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「今日からかけもち四天王! 〜ネトゲの彼女はボスでした〜」高遠豹介(電撃文庫)

今日からかけもち四天王! ~ネトゲの彼女はボスでした~ (電撃文庫)
今日からかけもち四天王! ~ネトゲの彼女はボスでした~ (電撃文庫)

勇者軍と魔王軍で戦争するネットゲーム「勇魔戦争オンライン」を始めた初島理央。学校のアイドル・宇留野麻未とゲーム内で仲良くなった彼は、ネトゲ素人ながらも特殊な職業ゆえに勇者である麻未を守る親衛隊の一人に選ばれることに。
そんな中、幼馴染の早坂亜梨沙と再会した理央は、亜梨沙が魔王としてプレイしていることを知って悩むのだった。
なぜなら、このゲームでは魔王と勇者だけは負けたらキャラ消滅の運命なのだ。
可愛い亜梨沙&麻未を守るため、理央はこっそり別キャラを作成し、ある時は魔王を守る四天王、またある時は勇者を守る親衛隊として、一人二役で彼女たちの決着を邪魔しようとするのだが……!?
ニワカ素人が2アカプレイで苦悩する、明るくおバカな青春ネトゲ、ラブコメ


最近よくある「ネトゲ始めました」なラブコメ
初心者がこんなに上手くいくか!ってツッコミはこの手の作品のお約束なのでしない方向で。というより、ネトゲが題材の作品でありながら重視されるのはリアルでの人間模様なのでそれほど気にならない。
その人間模様の中でひときわ目立つのが主人公・理央。
ライトノベルの主人公としては珍しい、リアルがハイスペックな主人公が光る。高身長・そこそこイケメン・おバカキャラに見えて意外と切れ者・気さくで小粋なジョークまで完備。ちょっと完璧すぎんよー。
そんな妬ましい彼だが、幼なじみへの気配りの仕方や、何事にも一生懸命な姿勢が爽やかで憎めない。これは引っ込み思案な幼なじみはもちろん、学校のアイドルも惚れますわ。くっこれだからイケメンは。
忘れちゃいけないのが最後の小粋なジョーク。久々でも作者の漫才トークは衰えていなかった。会話の中にちょくちょく挟んでくるボケのセンスが抜群なので、平時の会話だけ読んでいても楽しい。
また、冗談にして誤魔化しながらも理央への本気度が隠しきれない麻未(勇者)の隠れデレと、幼なじみ亜梨紗(魔王)の保護欲をくすぐる仕草。ダブルヒロインも魅力的でラブコメとしても申し分ない。
題材としては目新しさはないが、人間ドラマがしっかりしていて面白かった。それにこの独特なボケが読めたのが、個人的には大満足。