いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「豚は飛んでもただの豚?3」涼木行(MF文庫J)

豚は飛んでもただの豚?3 (MF文庫J)
豚は飛んでもただの豚?3 (MF文庫J)

元不良の高校1年生・真宮逢人はひょんなことがきっかけで、クラスメイトでポニーテールの美少女・藤室綾に初恋中だ。学校の球技大会をきっかけにクラスメイト達とは少し距離を縮められたものの、綾は進展があまりない。そんな折、恋の協力者である綾の妹・瑞姫は「――なんか変わったね」と言う。初恋をきっかけに、真宮は人として少しずつではあるが成長していたのだ。そのことをどこか嬉しく感じる彼の前に、この夏最大のチャンスが訪れる。瑞姫の後押しもあり、綾と二人きりで夏祭りで店番をすることになったのだ。不器用な少年の恋は果たして実るのだろうか――。元不良の少年と美少女三姉妹が織り成す、青春×初恋×ぽんこつストーリー待望の第3弾!!

悪くはなかったんだけど、、、違和感。
こんな詩的で回りくどい言い回しする人だったっけ? ライトノベルの青春小説としては珍しく会話が少ないのは前からだけど、もっと淡々していてストレートな表現だったような。1,2巻と違って読みにくかった。煮詰まってしまった結果なのかな?
この本単体で言うなら、二人の主人公・真宮と瑞姫はそれぞれ一人で悶々と悩む様子が青春小説らしくて良かった。特に、思考が全然違う方に傾いたり、やけに重くなったりする不安定さに思春期らしい青さが出ている。
但しシリーズ最終巻として見ると、これまでのイメージと大きなズレがあり1,2巻と同じ登場人物が出てくるだけの別の作品を読んでいるような気分だった。
真宮の心の成長は大いに感じられたし、恋愛未満で終わった甘酸っぱさが仄かなラストも好みなんだけど、これじゃない感の方が強い。