いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ルームシェア」宇木聡史(宝島社文庫)

ルームシェア (宝島社文庫日本ラブストーリー大賞シリーズ)
ルームシェア (宝島社文庫日本ラブストーリー大賞シリーズ)

いままで付き合った男すべてに浮気をされたという恋愛遍歴を持つ斉藤美央、24歳。そんな美央は「完璧に素敵な部屋」で、同じ歳の男、月島陸とルームシェアしていた。恋愛感情はないまま5年も一緒に暮らしていたふたりだったが、ある日、美央が陸に「彼氏(仮)」になってほしいと頼みこんだことから、ふたりの関係が少しずつ変わり出す……。
天真爛漫な美央と優しくて健気な陸が織り成す、キュートな恋の物語。
第5回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作。

凹むわー。この流れでこのオチはないだろう。
主人公の美央が自分勝手で可愛げも感じないので好きになれず、相手の陸に感情移入して読んでいたら酷い目にあった。
失って初めて気づくという話にしたかったんだろうけど、これではあまりにも陸が報われない。あれだけ美央を気遣って尽くして振り回されたのに、最後に美化されてしまうなんてあんまりだ。
美央が自分の気持ちを少しずつ気付き始めていたそれまでのエピソードもなんだったの? 突き落すための振り?
まあまあ普通のラブストーリーという評価から最後にどん底まで落ちた。どんでん返しは嫌いじゃないが、それまでのことを無にするどんでん返しは嫌いだ。キュートの恋の物語とはなんだったのか。