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「ソードアート・オンライン14 アリシゼーション・ユナイティング」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン (14) アリシゼーション・ユナイティング (電撃文庫)
ソードアート・オンライン (14) アリシゼーション・ユナイティング (電撃文庫)

《公理教会》の象徴である白亜の塔《セントラル・カセドラル》。隔離された大図書室の賢者《カーディナル》の助けを借り、ユージオは整合騎士となってしまったアリスを《本当の姿》に戻すため、キリトはこのアンダーワールドの消滅を回避するため、最高司祭《アドミニストレータ》の待つカセドラル最上階、一〇〇階を目指す。
そして到達した九十九階。
キリトとアリスの前に現れたのは、整合騎士の鎧に身を包み、瞳に冷たい光を浮かべたユージオだった。
躊躇いなく剣を抜くユージオを、やむなく迎え撃つキリト。旅立ちの日、遠い雷鳴に感じた戦いと別離の予兆は真実となってしまうのか。キリトの必死の呼びかけは、記憶を封じられたユージオに届くのか。アリシゼーション《人界編》、完結!


ユージオおおおおぉぉぉぉぉ―――! と叫ばずにはいられない14巻。
ついに本丸《アドミニストレータ》との対決となった今回は、前哨戦の対ユージオから戦いに次ぐ戦いで、手に汗握る展開の連続。
……なのは間違いないのだが、どうにも間延びしていて度々緊迫感が削がれた。《アドミニストレータ》の繰り出す技の考察と説明が多くて長いのでテンポが悪いのが原因。もともと戦闘中の説明の多いシリーズではあるのだけど、その悪癖が顕著に出たのかも。
その流れを変えてグッと物語へ引き込んでくれたのがユージオ。
自分の未来を投げ打って敵に対する姿、敗れてなおキリトを引っ張り上げ背中を押す友情と信頼、そして涙なくしては読めないラストシーン。今回キリトさんが情けない姿ばかり見せていたのもあるけど、アリシゼーション編の主人公はヒーローは間違いなくユージオだった。
アリシゼーション編もこれにて完結!…………してないじゃないか!
一応《人界編》としては完結なのね。《人界編》ってなんだ? 前から付いてたっけ?
アリスがどうなったのかわからないし、現実のキリトが起きてくれないと気分的に区切りがつかない。続き早う。