図書館にバニーガールは棲息していない。その常識を覆し、梓川咲太は野生のバニーガールに出会った。しかも彼女はただのバニーではない。咲太の高校の上級生にして、活動休止中の人気タレント桜島麻衣先輩だ。数日前から彼女の姿が周囲の人間に見えないという事象が起こり、図書館でその検証をしていたらしい。
これはネットで噂の不思議現象“思春期症候群”と関係があるのか。原因を探る名目で麻衣とお近づきになった咲太は、謎の解決に乗り出す。しかし事態は思わぬ方向に進み――?
SF風味青春ラブコメ。
ラブコメとしては、読んでいて恥ずかしくなるような青春が繰り広げられていて良かった。
前作『さくら荘〜』は主人公・ヒロイン両方好きになれずに1巻で止めたが、今作のメインの二人はなかなかのヒット。特にヒロイン・麻衣が基本Sなのに押しには弱く、強気なのに寂しがり屋と色々なギャップを抱えていて萌えポイント多し。
ただ、SFとしては肝心の思春期症候群というのがよく分からなかった。
事例は二つだけだし、ネットで噂と書かれながら周囲に思春期症候群を認識している人が博士的ポディションの友人一人だけ。その辺りの設定がはっきりしないので周りがぼんやりしていて、ひたすら二人だけの世界で物語が繰り広げられている感じがした。いちゃラブとしては文句なしのシチュエーションだが、SFとしては置いてけぼり感がある。
そんなわけで、悪くなかったのだけど今一つピンとこなかったというのが率直な感想。
綺麗に終わりそうだったのに続くのか。毎回ヒロインを変えていくのかな?