いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド」岬鷺宮(電撃文庫)

大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)
大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)

[號外]“墜落乙女”活キ人形と交戰す。
――昨夜深夜。再び「活キ人形」上野に現はれる。帝都民に襲い掛るも、此れを屠る謎の乙女現はる。目撃者談に拠れば高所から墜落せしめ此れを撃退せり――。
時は大正、帝都・東京。
今般、帝都民を脅かすのは、螺子巻き仕掛けの異形の化物「活キ人形」と、魔術によってそれを悉く凄惨に屠る、異端の少女・墜落乙女――。
彼女を追う少年記者・乱歩が見るのは、誰をも寄せ付けない少女がその裏に隠した真実か、それとも……。
血染めの美少女と堕ちる、鏖の暗黒夜話へようこそ。


大正ロマン魔法少女
お嬢様でSな少女・サヱカが素敵すぎる。
十代前半の容姿と清楚な佇まいなのに、醸し出す空気は妖艶。戦闘方法は残虐で返り血が似合う。しかし、その残虐性の裏に秘めた想いは……。と、彼女だけで話に惹きつける魅力がある。
それに主人公も悪くない。時々熱血漢なところが出てしまうが、基本はインテリ風なので語り部としては申し分なし。
また大正らしさは序幕と第一章の冒頭くらいしかないが、そこで十分にイメージが湧くのでその後も大正の情景が思い浮かべられる。
ストーリーは特筆するようなところはなかったが、キャラと雰囲気で「起・承・転」までは楽しめていた。
それが「結」だけが急におかしくなる。
真犯人の動機と行動の矛盾。主人公のそれまでの言動と合わない馬鹿な行動。大正という時代背景との矛盾。一番最後で最大のご都合主義(爆発するとはなんだったのか……)
何故、終盤だけこんなにおざなりになってしまったのか。そこまで面白かっただけに非常に残念。



自称コウモリのかすてらさんがドラキーにしか見えない件w