いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「蒼井葉留の正しい日本語」竹岡葉月(富士見ファンタジア文庫)

蒼井葉留の正しい日本語 (ファンタジア文庫)
蒼井葉留の正しい日本語 (ファンタジア文庫)

ラノベ作家になるという夢を叶えるべく、高校進学と同時にひとり暮らしを決めた久坂縁。彼が新居である「鳩居寮」で出会った少女・蒼井葉留は、パッと見は可憐、中身は「辞書」と「正しい日本語」を愛しすぎる変人だった。
「あのあの、久坂君。ここの、奥義〈土竜天翔爆裂拳〉とはどういう意味でしょうか」
書き上げたばかりの原稿を真っ赤に校正され、中二ワードの意味を真っ正面から質問され、縁のライフは削られっぱなし!
ラノベ作家(志望)と日本語少女のディクショナル・ラブコメディ、開幕です!!


主人公・縁の中二病全開の黒歴史(予定)小説の文章に、辞書オタクのヒロイン・葉留がからかい要素ゼロの素でツッコミを入れていく、思わずやめてあげて!と言いたくなる面白おかしいコメディを予想していた。実際、序盤はそんなことが起きていたのだが、、、
いつの間にか、二人が入学した斎館学園を舞台にした生徒と先生の恋の話、過去と現在の禁断の恋がリンクする切ない愛憎劇になっていた。……あ、あれ? いや、面白かったけども。狐につままれた気分にはなるなあ。
まあ、愛憎劇といってもそれほど重いものではなく、後味が悪いこともないのでご安心を。
それに基本はコメディ。一緒に寮に入った変わった女の子=葉留と愉快な先輩寮生たちによる始業式前の様子が描かれる。彼らの他愛もない会話、特に言葉の使い方を誤るとすぐに飛んでくる葉留の空気の読めてない、でもためになるツッコミが楽しいくてサクサク読める。
でも、そう言えばこれラブコメ……ああ、他の人がラブしてるからラブコメで間違いないか。ラブとコメディが(今のところ)完全に離れているのも珍しい。
続きもこの路線なのかな? それならコメディもハートフルも読めていい感じ。欲を言えばもう少し縁の小説が出て来てくれると嬉しい。



姉妹合作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!とテンション高く購入して表紙を見たら、、、妹さんは何故にカタカナ表記なの? 間違ってないのにコレジャナイ感w