いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「叛逆のドレッドノート」岩田洋季(電撃文庫)

叛逆のドレッドノート (電撃文庫)

“煉気”と呼ばれる異能力をもった子供たちが集められた≪学園≫。本土からこの≪学園≫に入学することになった岩代零が、真紅のドレスを身に纏う学園の超問題児・新宮百華に触れた瞬間、お互いの思念が映像として伝わってしまう[共振錯覚]によって、極めてデリケートでもだえるほど恥ずかしい秘密を共有することに――!!
秘密をばらされることを恐れた百華はすぐさま零に付きまとい、おかげで学園中の注目の的に!? 傍若無人な百華に振り回される毎日の中で、少しずつ心を通わせていく二人。そして、零は学園の真実と襲来する“蛇”の謎、さらには百華が≪叛逆少女≫と呼ばれる秘密に迫り――。
運命を打ち砕く叛逆少女の物語、開幕!


『護くん』『花×華』の作者が贈る新作は異能バトルもの。の毛皮を被ったラブコメ
なんていうか、超絶アグレッシブだった。
スタートから、お互いの胸に秘めた自らの恥部を強制的にさらけ出さされるという衝撃的すぎる出会いを体験。ファーストコンタクトが羞恥プレイだなんて。おかげで、出会ったばかりなのに口喧嘩がいきなり痴話喧嘩になるという離れ業をやってのける。
その後も、乳ネタで押し続ける開けっぴろげな会話に、異能を乙女チックな妄想を振りまくことに使うという贅沢?な使い方、しまいには調教宣言まで飛び出す始末。これをアグレッシブと言わずしてなんと言う。
と、メインの二人を追ってる分には楽しかったのだけど、他の要素は微妙。
異能バトルがおまけなことや、二人が濃すぎて脇役が空気なのはまだいいとして、事件を起こさせるためとはいえ、モブがあまりに不愉快だったのはマイナス点。
普段は化け物だと怖がって毛嫌いしているのに、有事にだけ力があるからと勝手に期待して、それを裏切られたから怒りをぶつける。なんだそれ。自分勝手にもほどがあるだろう。それに対する主人公の反論が的を得てなかったり、最後にギャフンと言わせるようなシーンもないので余計にイライラする。
最後と言えば、ベストシーンになるはずだったラストシーンもやけにあっさりで、後半は大分失速した感がある。
うーん、続きはどうすっかな。