いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「僕は友達が少ない10」平坂読(MJ文庫)

僕は友達が少ない 10 (MF文庫J)
僕は友達が少ない10 (MF文庫J)

慰安旅行がきっかけで、隣人部は生徒会主催のクリスマス会の準備に関わることになる。隣人部の面々がそれぞれ他の部員や生徒会メンバー、その他の生徒達との仲を深めていくなか、柏崎星奈はついに気づいてしまう――「もしかしてあたしって……人望ないのかしら」「いまさら!?」とツッコみながらも小鷹は星奈に協力し、自らも“本気で”変わることを決意する。そしてついに、リア充界最大の祭典、クリスマスが訪れるのだが……。大人気残念系ラブコメディ、激動の第11弾。少年少女達の気持ちが複雑に交錯する聖なる夜、今度こそ本当に、三日月夜空、復活!!

三日月夜空復活? どこがやねん。
爆発寸前じゃん。最後にガス抜き出来て少々持ち直したけど。
星奈にしても、小鷹に期待されたばっかりに我慢して無理して周りと付き合って、結局最後に大爆発。元より悪い状態に。友達が出来るように後押ししてあげたいという小鷹の気持ちは分かるけど、結果がこれではね。
というより、その空回りを物語として楽しめれば問題はなかったのに、動いた結果が隣人部メンバー内の人間関係が希薄になってしまっただけというのが笑えない。
隣人部が事実上解散の状態で、売りの“残念さ”も影を潜め、ヒロインたちとの会話が少なく小鷹はヘタレのままで恋愛モードにもならない。これでは正直どこを楽しめばいいのかわからない。
小鷹の「え、なんだって?」もヒロインたちのアプローチを分かった上で無理やり誤魔化すから笑えるのであって、決め台詞のように使われても戸惑うばかり。
「いつまでもそのままじゃいられない」と隣人部の変化を書いた結果が、シリーズの面白かったところを軒並み潰していってしまったような残念な10巻。
あらゆるところがモヤモヤしたまま、恒例の衝撃のラストだけ残して次回最終回。
どうにも隣人部メンバーと付き合うところが想像できないので、大穴・ケイト先生一点勝負でw