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「ブチ切れ勇者の世界征服1」はむばね(ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

ブチ切れ勇者の世界征服 1 (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)
ブチ切れ勇者の世界征服 1 (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

須藤優武は受験生なのに、勇者として別世界に召喚されてしまう。勇者としての役目を果たし、元の世界に戻ったまでは良かったが、味をしめた別世界の連中は些細なことで優武を召喚し、そのたびに受験勉強が中断する。召喚も27回目を数えたところでついに優武はブチ切れてしまう。魔王と手を組みこの世界を征服してしまえば、2度と召喚されることもなく受験勉強に集中できると!
手始めに傀儡として擁立する魔王を物色する優武だったが、出会ったのは魔王になって間もない幼女のモアだった。
世界を救うより自分の学業を優先させる勇者と高い理想を持ちながら全く実力の伴わない魔王が織りなす、脱力系ファンタジーバトル。


相変わらずの漫才トークである。好き。
しかも、誰もがボケもツッコミもこなすので、ボケとツッコミがコロコロ入れ替わるテンポのいい掛け合いが楽しい。はむばねさんの作品の楽しみは8割方ここだよね。
さて今回は……今回も異世界召喚もので、魔王の娘を愛でる話なの? ロリk(ry
でも前回似た設定だった「魔王さんちの勇者さま」とは主人公が大きく異なる。
呼ばれること27回目で、すでにレベルはMAX。受験生なのに些細なことで呼ばれては問題を解決してきた勇者さま。……そりゃキレますわ。
そんな勇者・優武のぶっちゃけトークがメタ的に面白い。まさに俺TUEEEに持って来いのシチュエーションなのに、それを笑いの方向にしか使わない
しかし、この優武くん。口では唯我独尊な言葉を吐きながら面倒見がよかったり、早く帰りたいと言いながら軍事強化をのんびり待っていたりと行動がちぐはぐ。
他にも、帰る手段がゲートなのか術者なのかは分からないけど、これだけの力と財力があれば制圧か脅迫でさっさと帰れそうなのに何故それをしないのか。そもそも、受験にこだわる理由をブラック企業に就職したくないからと説明しながら、金も人望もあるのになぜ律儀に現代に帰ろうとするのか。など謎が多い。
この言動の矛盾を解き明かしながら、優武の真意と勇者の頼り切りの世界のあり方ついてが語られていくシリーズになる……のかな?