いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フレイム王国興亡記2」疎陀陽(オーバーラップ文庫)

フレイム王国興亡記 2 (オーバーラップ文庫)
フレイム王国興亡記 2 (オーバーラップ文庫)

テラの改革を成功させ、さらに発展させるべく奔走していた浩太の元に商業国家『ソルバニア』の王・カルロス1世より、招待状が届けられた。辣腕と名高いカルロス1世と対面を果たした浩太は、王が次々に切ってくる交渉カードに翻弄されてしまう。ニセ札、大国の信用力、そして幼女!? 強国『ソルバニア』の圧倒的パワーを前に、『テラ』の命運を駆けた浩太の決死の交渉が始まる――。
「さあ、コータ。泣いて――縋りつきや?」
普通の『銀行員』浩太が挑むテラ再建計画はまだまだ道半ば。一難去ってはまた一難で一筋縄ではいかない! 未来への希望と決意が紡ぐ物語、第二幕。――『運命』は覚悟ある者にこそ微笑む。


てっきり知的俺ツエー小説になるのかと思ったら、早くもガツンとやられた。やっぱり甘くない作品だ。
出る杭あれば叩こうとするものが出てくるのも、成功者がいれば真似をしようとするものも出てくるのが必然。でもまさか両方一辺に来るとは。それも驕らない上に貪欲な強者という最強の敵が。
ソルバニの王・カルロス1世とぼけた口調とは裏腹に頭の回転の速く、強国の立場の利用方法や相手の心理まで読む交渉術など狡猾で、浩太の現代の経済学知識というアドバンテージを感じさせない。頭脳派同士の緊張感ある互角の化かし合いは読み応え十分。間に挟まれる経済学の話も興味深く、今回もライトノベルらしくない面白さだった。
でも、今回は1巻では少なかったライトノベル的楽しみも追加されている。
それがヒロイン争い。ロリヒロインの追加でこれまでと様相が一編。
新ヒロイン・ソニアは、少女らしからぬ聡明さとその合間にちょっとだけ見せる少女らしいあどけない表情でギャップ萌えが二度美味しい。さらに強国のお姫様で気軽に友達の作れない不幸属性も追加とは実にあざとい。
それに対抗したのがパッケージヒロインのエリカ。口絵は何事かと思ったら、、、うん、これは素直に可愛い。思った以上に自分に素直な性格なようなので、今後のデレ方も楽しみだ。
一方で巻ではメインヒロイン扱いだった御方がヤンデレ化しそうな気配なんですが。負けるなエミリ。個人的にはあなたが一番です。まずは表紙に出してあげてください。お願いします。
次は窮鼠猫を噛む? テラの、浩太の噛みつき方に期待。