いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「三ツ星商事グルメ課のうまい話」百波秋丸(メディアワークス文庫)

三ツ星商事グルメ課のうまい話 (メディアワークス文庫)
三ツ星商事グルメ課のうまい話 (メディアワークス文庫)

ある総合商社のお荷物部署。毎夜経費で飲み食いを繰り返すという噂から、人は彼らを「グルメ課」と呼ぶ……。
しかしその実態は、悩める社員を食事に誘い、個性的なメニューでもてなして仕事のヒントを与えるという特殊な課だった!
食欲の秋――。にぎやかなグルメ課メンバーが丁寧な仕事でトラブルを“料理”する。
鯛茶漬け、肉寿司、水牛モッツァレラのラザニア…etc。実在の飲食店と本物の料理が、秋の夜長をやさしく彩る、新感覚グルメ小説第2弾が登場。


あ、これシリーズものの二作目だったのね。
一作目の事件の顛末と思われるものがちらほら出てくるが、今回の話に直接関係ないし登場人物の説明も丁寧だったので、すんなり入れて最後まで違和感を感じることなく読めた。なのでこれから読んでも問題なし。
話としては、総務部の変わった部署が、社内の問題を解決していく日常ミステリ風のお話。
問題は重めのものもあるが、グルメ課のメンバーの陽気さと、料理の素材や調理法などをヒントに問題を解決していくという一風変わった解決方法が愉快でサクッと読める。そんなに上手くはいかないでしょとは思いつつ、説明に料理が絡むと妙な説得力がある。
ただ、料理そのものは期待外れかな。
期待どおりに色々な料理が出てくることは出てきたのだけど、解決の道具以上の役割は少なかった。メニュー名には興味をひかれたものの、その料理を食べる描写があまりなくて美味しそうとは思えない。夜読んだことを後悔する「腹が減る本」を欲して買ったので、その点は残念。
求めていたものとは違ったけど、そこそこ面白かった。