いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フルメタル・パニック! アナザー9」大黒尚人(富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー (9) (富士見ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック! アナザー (9) (富士見ファンタジア文庫)

カフカスの小国、コルキス共和国。ソ連崩壊と共に独立したこの国は当時、ロシアを後ろ楯とした少数民族との内戦に揺れており、その混乱の中に彼女―アデリーナ・アレクサンドロヴナ・ケレンスカヤは民兵として参加していた。
そんな混沌とした政府軍への教導のため、コルキスに派遣された民間軍事会社D.O.M.S.の社長メリッサ・マオは戦場で反政府軍兵士の少女と、数奇な出会いを果たす。
「わたしは勝てない相手だろうと、負けるわけにはいかない」
今こそ語られる、彼女の知られざる根源とは――!?
千変万化のSFミリタリーアクション、追憶挿話!


ドラマガ収録短編二話と書き下ろし二話(というか中編一話)を収録した初の短編集。
ナンバリングタイトルということで本編と繋がりを持たせたかったのか、リーナの回想という形を取られているが、、、これはないな。この悲痛なプロローグから、思いっきりコメディ寄りの第一、二話に繋げるのは流石に無理がある。
プロローグを飛ばして第一、第二話を呼んだ後、プロローグ→第三、四話→エピローグの順で読むことを推奨。



第一話 夕陽のサクンチュアリ
内容:ASを使った映画撮影
いやいや、いくら業界人でもここまで自分勝手な奴らばかりじゃないだろう……ないよね?
自分勝手な人達の狂演は不愉快なだけで面白くなかったが、達哉の幼馴染みの楓を巡る顛末は良かった。
楓のビジュアルは初? 眼鏡っ子だったのね。




第二話 砂塵の国
内容:ユースフ一時帰国。
王室仕様サベージかっk……いや、やっぱどんな装飾しても蛙だわw
目立っていたのはユースフの幼な妻マルヤム
後半のしっかり者の様子を読んでいると前半のアタフタぶりは演技にも思えてくる。何にせよなかなか“いい性格”




第三話 山河燃える
内容:少女兵リーナの戦い、前編。
幼女リーナが可愛……くないな、あまり。ソースケ程ではないにしても、似たような境遇なので、勇ましさと居た堪れない悲しさが同居する存在になっている。
それに久しぶりのマオ姐さんの登場&活躍にワクワクと淋しさを感じたり、色々と複雑な気分になる話だった。





第四話 故郷は緑なり
内容:少女兵リーナの戦い、後編。
ナターシャはともかくミハイロフにこんな優しげな一面があることに心底驚いた。
もっと冷血漢なのかと。任務遂行時のカリーニンに近いイメージだったけど、中身もカリーニンに近いのかも。