いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア3」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア3 (GA文庫)
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「アイズたんLv.6キタァアアアアアア!!」
先のダンジョン探索において、謎の女調教師、階層主・ウダイオスとの激戦を経たアイズ。しかし念願のLv.6に昇格した【剣姫】の表情が冴えないのには理由が。
「こ、恋煩い? アイズたん、男なんか?」
一つ――やっと出会えた白髪の少年に、またもや全力で逃げられてしまったこと。
「……そうか、お前が『アリア』か」
二つ――自分しか知るはずのないその名前を、調教師の女が知っていたこと。
だが、そんなアイズを試すように再びダンジョン探索のクエストが舞い込む。まるでそこに答えがあるかのように……
これは、もう一つの眷族の物語、
──【剣姫の神聖譚(ソード・オラトリア)】──

ダンジョンに潜らなかった本編の補填をするかの様に、がっつりダンジョンに潜っていた外伝3巻。
2巻での無茶によりLv.6に上がったアイズによる俺TUEEE展開かと思いきや、そう簡単にはいかない。成長を綴るこのシリーズに楽勝の文字は無いようだ。ピンチと増援の繰り返しという単純ながらも、次々と“燃え”のおかわりが盛られていくような展開が熱い。
また、今回の戦いではアイズだけでなく一緒に戦った活躍も印象的。ロキ・ファミリアの獣人・ベートのツンデレも捨てがたいが、一押しはアイズと行動を共にしたヘルメス・ファミリアのアスフィ。バカ神ヘルメスのお目付け役のお姉さんのイメージしかなかったが、よく考えたら神に付き添えるってことは相当な実力の持ち主だというなんだよね。その実力の程を十二分に見せつけてくれた。
そんな戦いに次ぐ戦いの3巻だったのだけど、最初と最後の少しだけある街での様子は雰囲気が一変。
一旦ダンジョンを出るとベルのことで頭がいっぱいなアイズの可愛さが際立っている。本人の性格上色恋の気配は全然ないが、対ベルだけ落ち込んだり拗ねたり表情が豊か。ベル>Lv.6到達って相当重症ですな ニヤニヤ
今回も面白かった。食人花の事件が佳境に入ってきたと同時に、アイズ出生の秘密をあちこちで匂わせ始めているので、今後はそっちの方向に話の中心がシフトしていくのだろうか。