今年の読んだ本は
279冊(漫画等除く) でした。
あれ? あまり減ってない
その中からお気に入りのものをいくつか上げてみました。
今年も例年通り曖昧なジャンル別でお送りします。
(シリーズものの画像は今年出版のもののみ)
↓長いので格納↓
王道
「エスケヱプ・スピヰド」九岡望(電撃文庫)
第18回電撃小説大賞の大賞作が完結。
しっかりと練り上げられた世界観とキャラクターがあった上で、とことん人の心を描く人間ドラマだった傑作。
それと、昭和が続いているという設定と流行りとは言えないロボットアクションで、どこか懐かしさを感じさせてくれる作品でもあった。今の よりも一昔前のライトノベルファンにオススメしたい作品。
青春
「きんいろカルテット!」遊歩新夢(オーバーラップ文庫)
吹奏楽の中でも日本では馴染みのない「ブリティッシュ・カルテット」に青春を掛ける少女たちと一人の青年の物語。
キャラクターたちの音楽への姿勢と情熱はもちろん、練習風景や本番の描写、細かな楽器の説明に至るまで、どこをとっても音楽への真摯な姿勢がダイレクトに伝わってくる素晴らしい青春小説。
「王手桂香取り!」青葉優一(電撃文庫)
ライトノベルでここまでやるか!と思わせるほど将棋一色な作品。
プライベートでは落ち着き過ぎていて青春っぽさが全然ない主人公とヒロインであるが、将棋となると勝負師の負けず嫌いが発揮されて一気に青春らしくなる。また、将棋が分からなくても伝わってくる対局中の緊張感が圧倒的。
戦記
「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」宇野朴人(電撃文庫)
今では流行りの一つでそれなりの数がある戦記ものであるが、その中でもやはり一線を画す存在。
イクタがどれだけ優秀な軍師であっても、それを上回る出来事がイクタ達が追い詰めていく。その容赦のなさが生む手に汗握るシーンの質と量の両方で他の追随を許さない。
馬鹿/熱
「ベン・トー12 デザートバイキングプライスレス」アサウラ(スーパーダッシュ文庫)
「くだらないことを全力でやる」その面白さと熱量でひた走ってきた本作もついに完結。
何度笑わされ、何度感動させられて負けた気分を味わってきたことか。
最後はデザート!と言わんばかりの甘々短編でフィナーレ。佐藤爆発しろ。
そのベン・トーから生まれた、いや、生まれてしまった奇作。タイトルも酷けりゃ絵面も酷いw
でも、このアニキすげー格好いいんだ。惚れちまうくらいにな。
web発
「Only Sense Online ―オンリーセンス・オンライン―」アロハ座長(富士見ファンタジア文庫)
ライトノベルの中で少なくない割合を締め始めてきたweb発作品。ファンタジーやVRMMO作品が多く、中でも主人公が無双する俺TUEEEが全盛の中で、ちょっと変わり種なのがこの作品。
回復薬を作るための創意工夫が読めるのは他にはそうないだろう。ネットで探せば攻略サイトなんていくつでも見つかる今では忘れがちな「自力でゲームを紐解いていく」楽しさが味わえる良作。
「居酒屋ぼったくり」秋川滝美(アルファポリス)
こちらはweb発でもファンタジーやゲームの要素が一切ない、下町の居酒屋さんを舞台にした物語。
とにかく出てくる酒と肴が旨そう。それもどれも簡単に作れそうな料理、庶民が簡単に手を出せる酒なのがにくい。
そこに下町らしい心温まるエピソードが加わって、さらに酒が旨くなる。
玉虫色
「王女コクランと願いの悪魔」入江君人(富士見L文庫)
後宮を舞台にした聡明な王女と「ランプの魔人」な悪魔の奇妙な駆け引きを軸にした物語。
初めのうちは王女コクランに言い負かされる悪魔が滑稽でコメディのようであり、王女の背負うものが明らかになってくるとシリアスなサスペンスになり、次第に涙なくしては読めないラブストーリーへと変わっていく。
キャラクターもストーリーも魅力がいっぱいで、今年一番のお気に入り。特に少女漫画が好きな人と親和性が高いのではないかと。
以上。
来年も良作に出会えることを祈りつつ、皆さま良いお年を!