いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「運命に愛されてごめんなさい。」うわみくるま(電撃文庫)

運命に愛されてごめんなさい。 (電撃文庫)
運命に愛されてごめんなさい。 (電撃文庫)

我が校には運命力学に従って、毎週月曜日に転校生がやってくる。そして彼らは転校初日に全校生徒の前で予言を口にする。どうして? それが運命だからさ!
そんなことより重要なのは、その週にやってきた転校生・シイナの予言だ。なんと僕・皐月純が今月中に生徒会長になるらしい! ひゃっほぅ!! これで学校中のかわいい女の子は僕のものだぜ!!
ところが、そうはさせじと現生徒会長・五十嵐優美センパイが予言の阻止に動き出す。でも、いくら運命に抗おうとしたってだめだよ。僕のシイナの予言によって、バラ色の未来は約束されてるんだから! はっはっは、運命に愛されてごめんなさ「純くんうるさいし気持ち悪いし臭いので口を閉じててもらえますか?」……こらシイナ、僕が喋ってるのに割り込まないでよ!

第21回電撃小説大賞金賞受賞作。



ハイテンション学園コメディ。電撃のらしくない作品。勝手なイメージだが一昔前のスニーカーにありそうな感じ。
運命を感じなくてごめんなさい。こういうノリは苦手です。無理です。
毎週月曜日に来る転校生、100%当たる予言、運命力という謎のエネルギーなどなど、突拍子もない設定がいくつもあるのだが、説明は極めておざなり。勢いとノリだけで突っ走る。料理し甲斐のある設定をこれだけ考え付いておいて、料理をする気が全く無いのが不思議でしょうがない。
また、ゲスでヘタレな主人公と、ぼそぼそと毒を吐くクールな美少女転校生の掛け合いがメインなのだが、ゲスのまま終わる主人公と、そんな主人公に唐突にデレるヒロインに唖然。なんなんだ、これ。
何か光るものがあっての金賞なのだろうけど、自分には良いところは一つも見出せなかった。