いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「はたらく魔王さま!12」和ヶ原聡司(電撃文庫)

はたらく魔王さま! (12) (電撃文庫)
はたらく魔王さま! (12) (電撃文庫)

銀髪となった漆原の病室に集まった一同。皆の前で恵美の母親であるライラがこれまでのことを告白すると、勇者として、娘として、恵美の怒りが大爆発! 過去の真相を知った恵美は、ライラとの大喧嘩の末に病室を飛び出してしまう。追いかける千穂と鈴乃だったが、二人は恵美を見失ってしまい……。
一方マグロナルド幡ヶ谷駅前店では、新サービスのマッグデリバリーがスタート。レッド・デュラハン一号(店のバイク)で街を駆け巡る魔王も、母親と大喧嘩した恵美のことを気に掛けていた。
庶民派ファンタジー、混沌の第12弾!勇者と天使の壮大な母娘喧嘩に挟まれて、魔王さま大ピンチ!?

どうやら足りない日常分を口絵で補うことにした模様。



前回のラストを受けて「母が語る驚愕の真実」の回になるかと思いきや、ライラに語る機会なんてなかった。彼女のやり方では当事者の勇者と魔王じゃなくてもキレる。やっぱ天使ってクソだわ。それにしても表紙の舌出している天使と、本編の娘に拒絶されて弱り切っている天使は別人にしか見えんw
別人のようと言えばもう一人。
何とビックリ勇者がヒロイン化した!
9,10巻でも囚われの身というヒロインをしていた恵美だったけど、あれはファンタジーのヒロイン。今度はラブコメのヒロイン。
今までのツンツンはどこへやら、ちーちゃんの慌てぶりも納得の可愛らしさしおらしさでニヤニヤ度がかなり高め。今回の魔王は非常時以外では珍しくカッコ良かったからなあ。ここ最近の恩と弱っている心の上にあれをやられたら効かない訳がない。川田君、魔王にもっと言ってやってくれ。
そんなわけでガッツリ恵美回だったわけだが、彼女が逃げ回っていたおかげで本題はさっぱり進まず。メインの購買層を意識した教訓めいたいい話を欠かさない作風は大変好ましいのだけど、こうやって大事な話を強引に中断した形で先延ばしにするのは作者の悪い癖だ。
それでも久しぶりにラブコメとして面白かった。次こそ本題へ?