いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (11)」渡航(ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)

一色いろはの依頼を受け、バレンタインデーのイベントを手伝うことになった奉仕部。そのイベントには三浦や海老名、川崎などいつものメンバーも加わり、より大規模なものになっていく。穏やかな空気の中、だんだんと見過ごせなくなってくる小さな違和感、慣れないことで戸惑っているのだと自分に言い聞かせようとしても誤魔化せない気持ち。この時間がずっと続けばいいのかもしれない――。何も気付かないほうが良かったのかもしれない――。提案される「彼女の相談、彼女の依頼」。雪は静かに降り積もり、彼ら、彼女らの景色を変えていく。

うわっ、生ぬるっ!
すれ違いに次ぐすれ違いでギスギスした空気を覚悟していたら、漂っていたのは違和感のある平穏だった。平塚先生に「破調の美」と称された二人がガマハさんの真似事しちゃいかんでしょ。
まあ、ギスギスは生徒会戦前後でやってるから同じことはしないか。でもこっちの方が表面上が平和な分、身動きが取れなくて息苦しい。特に八幡は殺伐とした空気や針のむしろには十分すぎる耐性があっても、ぬるま湯には耐性なさそうだもんなあ。
だからなのか陽乃さんには早々につつかれ、挙句に結衣には先に動かれてしまう始末。八幡しっかりしろ。
しかし、慣れ合いを壊しに行くのは八幡だと思っていただけに、初めに動いたのが結衣なのが意外だ。今まで一人で泥をかぶってきた八幡を見て来て、雪乃の現状を見て、一人動いだした結衣に成長を感じるが……やっぱり君はどこまでも優しい子だよ。悲しくなるくらいに。
……で、何の話だったっけ? ああバレンタインか。俺には関係ない行事だから忘れていたぜ。
手作りチョコレート勉強会イベント。極めて謎なイベントだが、手作りチョコを渡したい数名の女子の思惑とバレンタインにものを受け取らない葉山にチョコを食わせる策が合致した、実に合理的な内容付けが出て来ているのがこの作品らしい。
でも、強引に登場人物を集合させるのは終わりが近いんだという実感が湧いてしまうんで勘弁してください。けーちゃんの天真爛漫さだけが癒しや……。いや、おかんあーしさんも可愛かったか。あと目立つのはいろはすの激しいアピール。あざとすー。
もう数巻が次なのかその次なのかは分からないけれど、確実に終わりが近付いている。彼女の依頼の内容……は、なんとなくわかるような気がするので、やっぱり気になるのは小町の合否ですよね。



それにしても相変わらずのアニメネタの新鮮さである。
社畜なはずのワタリンがこれだけアニメ見てていつ寝てるんですかねえ……