いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「SとSの不埒な同盟」野村美月(ダッシュエックス文庫)

SとSの不埒な同盟 1 (ダッシュエックス文庫)
SとSの不埒な同盟  (ダッシュエックス文庫)

芸術音痴でありながら、美術部に入部した真田大輝。実は、美術部員は仮の姿。
美術室から見える合奏部の美園千冬を、相手に気づかれず心ゆくまでガン見して、鑑賞するのが真の目的。非公式な部活動、『鑑賞部』なのである。   
そして、美術部にはもうひとり、自分と同じように音楽室を眺める部員がいた。ラピスラズリのような青く深い瞳を持ち、流れるような金髪が目にまぶしい美少女・藍本ルチア。
大輝は、ルチアも自分の同志ではないかと勘づいて…!?
ドS主人公と、ドS超然美少女が自分の恋のために手を結ぶ、ピュアラブストーリー!!

あー笑った。まさか野村美月作品でこんなに笑わされることになるとは。
真田とルチア。変態ドS二人のの性癖を隠そうともしない開けっぴろげな会話が楽しいったらない。
そこに花を添えるのがサブキャラ達。ルチアのドSを引き立てるドM男子二名の高い被嗜虐性も良い、注目はサブヒロイン。
可憐な容姿に猪の魂を持つ女子・美園に、いけ好かないお嬢様かと思ったら超絶チョロインだった雛崎。ラブコメの負けヒロインの要素をコミカルに凝縮させたようなキャラクター性で、メイン二人の言動をより面白いものにしてくれると同時に、彼女たち単体で面白い。そんな彼らのやり取りはコメディと言うより、もはやギャグ小説。
……え? ピュアラブストーリー?
後半になるにしたがって真田がルチアを気にする描写が濃くなっていくので、恋愛小説の体は成してはいるけど、おまけでトドメ刺しちゃってるしなあw あの日記は卑怯。あんなん笑うしかないじゃん。
「もうちょっとだけ続くんじゃ」とフラグを立てていたけど、DBじゃないから次で完結かな。終盤の流れからすると二巻は真面目に恋愛小説しそう。