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「魔法科高校の劣等生 (17) 師族会議編 〈上〉」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生 (17) 師族会議編 (上) (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生 (17) 師族会議編 (上) (電撃文庫)

司波達也と深雪の婚約が公表された。そこに、一条家より異議が申し立てられる。深雪へ、将輝との婚約を申し込んだのだ。一方、魔法科高校。達也と深雪に血の繋がりは無いという「建前」が公表され、生徒達はショックを受ける。とくにほのかは深刻だった。いつしか、深雪と達也は学内で孤立するようになり……。そんな中、世界中の魔法師が注目する十師族選定会議が開会され、VIP達が箱根に集い始め―その刹那、謎の爆発が会場を襲う。それは、魔法師による自爆テロだった。同じ頃、米軍最強の魔法師部隊の動き出しており……!


上中下編の上編とあって、至って静か。内容は婚約発表後の学校での反応と、十師族会議開催前の裏のあれこれ。
四葉家の存在が魔法師の中でどういう存在なのか、いくら言葉で説明されても感覚的な部分が分からないので何とも言えない部分もあるが、今回の学内でのごたごたを一言で表すと「こいつら面倒くさい友達付き合いしてるなー」である。学校での友達付き合いにしては考え方が重すぎないか? 黙ってたから裏切られたという感覚が分からない。自分の全部を曝け出す友達とかそっちの方が怖いよ。結婚相手じゃあるまいし。学内の話は感覚的についていけない話だった。
その裏で進んでいた各陣営の裏工作はいつも通り。作者好きねえ、こういう話。
テロ屋にあっさり会議の場所がばれていたところを見ると、内通者がいるのは間違いなさそうだが、果たして誰なのか。
それはそうと、深雪さんですよ。
深雪さんが婚約者と言う大義名分を得て落ち着いてしまった。
ほのかの宣戦布告にもリーナの失言にも全く動じる気配がなく、女の勘を働かせた真由美関連の出来事も兄に釘一つ刺さない始末。深雪が暴走してくれないとラブコメが盛り上がらないよ。しかも、あらすじから一条が頑張ってくれるかと思ったら、まともな出番すら容易されていないとは。中編以降頼むよ、ホント。
友情の話は理解が追い付かず、メインの事件は準備段階、達也無双なしラブコメ面白味なしと楽しむところがない上巻だった。中巻以降に期待。