ゲームガルドと呼ばれる異世界に召喚され、『救世主』として迎えられた義弥と杏奈。次々にクエストを攻略し、ゲームガルドに貢献してきた義弥たちの前に、ついに全ての黒幕・古掛光比呂が『創世の聖竜』と共に姿を現した。ダンジョンを消し飛ばす攻撃力と全属性無効のチートな防御力をもつ『創世の聖竜』を前に、ゲームガルドは存亡の危機を迎える。そんな中、義弥たち救世主パーティは、揚げたてのトンカツに舌鼓を打ったり、杏奈お手製のお弁当を持ってダンジョンにピクニックに行ったり、ネアが秘密兵器を手に入れたり、街に天使がやって来たり……? さて、みんなで無敵のチートモンスターを攻略しようか! 異世界なのにたっぷり日常ラブコメ第7幕!
シリーズ最終巻。いや第一部完ということで。
もう１冊は続くかと思っていたら一気に行ったなあ。
ラストは丸々、ゲームガルド全体を巻き込んだラスボスとの最終決戦。
トンカツ旨そうなんじゃー！という恒例行事から始まり、やっと明かされた義弥の特殊能力と大人数でも発揮される指揮能力、今まで関わってきた人たちが総出演する最後に相応しい演出、ヒロインズそれぞれの戦いと、読みどころたっぷりなエピソード。
中でも良かったのが逆転要素。一つが男の友情で、もう一つが正妻との信頼。これまで培ってきた人と人との繋がりが実を結ぶ瞬間というのは、何度読んでもいいものだ。
さらに、そこに花を添えたのが黒幕が救いようのない下種だったこと。悪役がしっかり悪役をしてくれると最後の爽快感が段違いだ。
エピローグは一気にスケールが大きくなって少々驚いたが、これからまだ冒険は続くし世界は広がっていくことを予感させてくれる、夢が（妄想がとも言う）広がる終わり方で大満足。
その余波で恋愛模様には明確な答えが出なかったのだけど。でもまあ、シリーズ開始当初は主人公を見下していたメインヒロインがこんなにデレたんだもの。答えは出たようなものさ。
読んでいて気持ち良く楽しくなれる（そして腹が減る）素晴らしいシリーズだった。第二部やっちゃってもいいのよ？
