いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「はたらく魔王さま!14」和ヶ原聡司(電撃文庫)

はたらく魔王さま! (14) (電撃文庫)
はたらく魔王さま! (14) (電撃文庫)

異世界エンテ・イスラから、魔王を追って時空を越えた勇者エミリア。無事東京へとたどりついたものの、魔王を見つけられず、たった一人、街を彷徨っていた。そんな勇者が迷い込んだのは、永福町に建ついわくつきの高級マンションで――『勇者の部屋探し』。
さらに、恵美と千穂がお寿司を食べながら友情を深めた『回転寿司』、マグロナルド幡ヶ谷駅前店店長・木崎が幼なじみと激闘を繰り広げた『マグロ店長会議』のほか、『魔王の破けたズボン』『芦屋の圧力鍋』『魔王新しい携帯を買う』など、書き下ろし中編を含む全6編でお贈りする特別編!


短編集。
そうそう、所帯じみたこの感じ。
最近は話のスケールが大きくなっていて、こういう「日常編」な話の割合が減っているので日常がメインの短編集は素直に嬉しい。



以下各話毎


勇者と女子高生、友達になる。
内容:勇者御一行と女子高生、回転寿司へ行く(一巻直後)
この肝の座り方、この気配り力。相変わらずのちーちゃんのスーパー女子高生ぶりに感嘆。
でも何だか最近、聞き分けが良すぎる子を見ているようでちょっと切なくなる。幸せになって欲しいんだけど、障害が多すぎるよなあ……
ところで41頁のちーちゃんの服、肩出してるようにしか見えんのですが。なんかエロい。




魔王、節約生活を振り返る
内容:芦屋、福引で圧力鍋を当てる。
悪魔喜びすぎい! 芦屋の家事能力があれば、作りたかった料理たちはフライパン一つで出来るような気がするが。
アラス・ラムスに痛恨の一言を食らった漆原でめっちゃ笑った。




魔王、勇者の金で新しい携帯電話を手にする
内容:某事件後の賠償の一つ
タイトルがちゃんと魔王っぽいw
但しタイトルと違って魔王はおまけ。メインはアラス・ラムス、アニエス姉妹に癒される話。




勇者、敵幹部の力に驚嘆する
内容:魔王、恥ずかしい格好で外に出る
真奥のズボンを選ぶちーちゃん。これはデートですよね!ね! 小さな幸せを噛みしめる。
芦屋は裁縫もいける口か。本当に万能主夫だね。逆にちーちゃんが出来ないのは意外だ。
二話目に続いて酷い扱いの漆原には「m9(^Д^)プギャー」としか言いようがない。駄馬www
コメディではこの話が最も面白かった。




魔王、上司の過去を知る
内容:木崎さんの幼馴染み
尊敬できる上司で格好良い女性の代名詞・木崎さんの意外な姿が読める話。
初めて見せてくれた隙で彼女の魅力が一気に増したが、さらにラストの殺し文句にグッときた。これで魔王に特殊な事情がなければ「一生ついていきます!」になるだけどなあ。
仕事観の話も濃かったし、この話が一番好き。




はたらく前の勇者さま! ―a few days ago―
内容:恵美が日本に飛んできた直後の話
異世界での行動に真奥・芦屋コンビとの人生経験の差が如実に出ているのが面白い。
これでもその後、結果的に魔王軍二人より上手くいってしまう辺りが勇者の資質なのかな。いや、日頃の行いかw