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ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか9」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 9 (GA文庫)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか9 (GA文庫)

「モンスター……ヴィーヴル?」
新たなダンジョン階層域『大樹の迷宮』に進出したベルは、竜の少女ウィーネと出会う。人語を話し、人からも怪物からも襲われる孤独な少女を保護することを決めるのだが……。
「竜女か──久々の上玉だ」
忍び寄る暴悪の狩猟者達の魔の手、覆すことのできない人と怪物の軋轢、そして動き出すギルドの真の主。一匹の竜の少女を巡り、都市に波乱がもたらされる。
人と怪物、神々を揺るがす異常事態──ダンジョンの異変に迫る迷宮譚第九弾!
「ベル……大好き」
これは、少年が歩み、女神が記す、──【眷族の物語】──


新章開幕。
第三部はダンジョンから生まれた人型で人語も話すモンスター『異端児(ゼノス)』を中心に話が進む模様。
前巻のラストを読んだ時は、てっきり外伝でアイズたちが追っている事件と繋がるのかと思ったら、全くの別件で驚いた。このダンジョンはどれだけの謎を内包しているのだろうか。
それはさて置き新しい物語のスタートとあってか、まだいつものような熱い展開になることはなかったが、ベルの底抜けな人の良さとハーレム力は遺憾なく発揮されていた。傷ついた者を放っておけないヒーローの鑑であると同時に、それが必ず女の子になるラノベ主人公の鑑w
ベルが連れ帰った竜女・ウィーネの小さい子供のような可愛らしい振る舞いにほっこりしつつ、『異端児』を取り巻く環境の複雑さに切ない物語になる予感をひしひしと感じていたら……
続くのかー。途中から何も解決しそうにないことは読めていたけどさ。
このシリーズは途中胸糞悪い展開になることが多いので、最後まで行ってくれないと精神衛生上よろしくないのだが、今回はそこまで行かずに続いてくれたのが救いか。但し、胸糞展開になる因子はそこら中にまき散らされている。でもそれはイコール ベル君が吼える激熱展開が約束されているわけで。次が楽しみ。
それでも『異端児(ゼノス)』の願いが叶うのは難しいような気はするなあ。ウィーネが笑えるエピローグはあるのだろうか。