ティラノギルディに、自らのツインテール属性を奪われてしまった総二。ツインテール属性との繋がりが完全に切れてしまったら、この世に存在するテイルレッドの写真や動画は一斉に総二の姿と入れ替わり、正体が露見してしまうことに……!? 愛香たちは、思い思いに総二を誘惑して気力を保たせようとするが、はたしてその効果は? そんなツインテイルズたちの苦悩をよそに、<死の二菱>は残る戦力を結集し総攻撃を開始する……。宇宙一のツインテール馬鹿、観束総二よ。属性力を失った今、お前は何を心に結ぶ――!?
ツインテール、それは神話だった。……なんのこっちゃw
終始ローテンションなストーリーに奪われた属性力、総二たちをどん底まで突き落した9巻。あそこで一度屈んだのはやっぱりこの10巻での飛躍の準備だった。期待通り、いや期待以上の燃える復活劇にテンションは上がりっぱなし。
ストーリーは予想通りにヒーローものの王道中の王道。でも、王道だからこその良さがある。
傷ついたヒーローを包む仲間の優しさに始まり、ヒーロー自身の葛藤からきっかけをくれるある人物の言葉を経て、覚醒を促す大ピンチへ。この段階を踏んで盛り上がっていける感じ、この先に間違いなく熱いものがあると思わせてくる高揚感や期待感を膨らませながら読めるのは王道ならでは。
そして迎えたレッドの復活。
ピンチの仲間の下に駆けつけるタイミングが絶妙で掴みは完璧。それに続くのが窮地と反撃を繰り返し、息を付かせぬ展開と一気のパワーアップを両立した短いながらも濃密な戦闘シーン。ヘタレかと思っていたティラノギルディの命を賭した戦いぶりも良く、燃える要素てんこ盛りでテンションは最高潮になり、決着は文句なしの感動。
最高でした。
まあ、読み終わって冷静になると、なんでこんなので感動してしまったのかと負けた気分になるところまでがこのシリーズのお約束なんだけど。究極物質ツインテリウムってなんだよwww
“燃え”が激熱だった反面、総二が心神喪失状態だったこともあってコメディは盛大に空回っていたけど、次は変態ラブコメ回の予定のようなので、笑いは次回に期待しよう。