いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フルメタル・パニック! アナザーSS」大黒尚人(富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザーSS (ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック! アナザーSS (ファンタジア文庫)

達哉とリーナ、戦いの旅の終着点――そこは、湯煙の向こうに広がる……温泉だった!? つかの間の休息で平和な日常を取り戻したかに見えた達哉に黒い影が忍び寄る!! ――使命を果たした戦士たちのその後を描いた書き下ろしストーリーに加えて、達哉教官とクララのはじめてのAS操縦体験、へっぽこテロリストを巻き込んだ三条姉弟のバカンス騒動、D.O.M.S.ゴーストバスターズの船幽霊退治ツアーに、達哉とリーナによるイロモノAS大決戦と、珠玉の短編を完全収録!
これは少年が青年と変わる「戦闘」の記録だ!!
百花繚乱のSFミリタリーアクション、堂々完結!!

短編コメディ下手くそだな!(苦笑)
シリアスな本編が違和感なく読めていたから全然気にしてなかったけど、そういえばこれがデビュー作の新人さんだった。
一、二話目がホント滅茶苦茶(特に説明や理由付けが下手)で、三話目はテンプレだけどまあまあ、四話目でやっとフルメタの短編らしくなったかな?くらい。と思いつつ巻末を見たら、短編コメディはドラマガで2013年から一年に一回ずつしか書いてないのね。新人作家の成長の過程が感じられるという点では良い短編集と言えなくもない……ような気がしないでもない。まあいいのよ、最後の書き下ろしの後日談がメインだから。
その後日談は、リーナと二人で温泉旅行のはずがそこにはみんながいてという話で、内容は本人の台詞にもあるけど、出られなかった達哉の為の卒業式。祝電沢山だし、最後にみんなと久しぶりに会うって言うのも3年の年明けは自由登校な高校の卒業式っぽい。
という後日談らしい話の内容は良かったのだけど、完全にヘタレに戻ってた達哉がちょっと心配になるラストだった。反対に思った以上に市之瀬家に馴染んでいるリーナには安心感と幸福感を憶えるという複雑な気分。
達哉の成長の物語かと思っていたけど、実はリーナが家族を見つける物語だった? というのは半分冗談だけど、リーナが引っ張っていくくらいが丁度いいのかな、この二人。兎にも角にも末永くお幸せに。