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「魔法科高校の劣等生 (19) 師族会議編 〈下〉」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生 (19) 師族会議編 (下) (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生 (19) 師族会議編 (下) (電撃文庫)

死体を操る魔法で自爆テロを敢行させるという残酷な計画を企てた魔法師・顧傑は、気配を消して日本に潜伏していた。
この自爆テロ事件によって、世論が魔法師を糾弾しはじめ、人間主義の勢力が勢いづく中、十師族は黒幕の捜査を決める。
十文字克人七草真由美一条将輝と協力して司波達也は顧傑の行方を探す。
しかし、手掛かりを掴んだ達也の前に思わぬ敵が立ち塞がる。
USNA軍。
米軍最強の魔法師部隊スターズのナンバーツー、ベンジャミン・カノープス少佐も参戦するこの『顧傑』争奪戦は、思わぬかたちで達也を『激怒』させ……!

師族会議編完結。
うーん、、、微妙(本編は)
達也は思う存分に暴れられないし、顧傑は周公瑾以上の拍子抜けだし、それに千葉兄のこともあって下巻なのに一切スッキリしない話だった。まあ、深雪さんの妄想暴走エロス劇場は面白かったけど。
そんなモヤモヤした気持ちで巻末のおまけを読んだら……
一条とかいう笑いの天才にしてやられた。くっそwwwww
巻末おまけは東京に来た一条の日記で、これが笑いどころ満載なのに居た堪れない気分にもなるザ・思春期な内容でめっちゃ面白い。そうだよね、達也が特殊なだけで時代が変わってもいくら優秀でも、高校生男子の思考なんてそんなに変わるわけがないよね。一条の情けなさ全開な日記なのにどこか安心した。跡取りに考えられていなくて一条家の未来にも安心したw
それと一条の日記を読んでもう一つ感じたことは、作者の“劣等感”へのこだわり。適度な劣等感は向上心に繋がるからこだわりがあってもいいかなと思う反面、一条みたいな優秀な人間にこれをやられると、ちょっと卑屈すぎるのではとモヤッとした気持ちにもなる。
それはともかく物語は新章へ。短編集を挿んで『動乱の序章』編。今まででも十分動乱だった気がするんですが……