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「ソードアート・オンライン17 アリシゼーション・アウェイクニング」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン (17) アリシゼーション・アウェイクニング (電撃文庫)
ソードアート・オンライン (17) アリシゼーション・アウェイクニング (電撃文庫)

――≪光の巫女≫アリス。闇の軍勢すべてを犠牲にしてでも、我が手中に収める。
≪最終負荷実験≫二日目。整合騎士による命がけの奮闘により劣勢になったダークテリトリー軍は、卑劣な手段で反抗を開始する。アンダーワールドを外部から観測していた米軍傭兵・クリッターが、現実世界の人間たちを最終決戦に投入したのだ。その≪本格派VRMMOゲームのベータテスター≫は、五万人を超えた。
闇の軍勢の増援に、絶体絶命となる人界軍。アスナ一人では到底太刀打ちできなかった。そこに、アンダーワールドで言い伝えられてきた創世の神々が舞い降りる。白く輝く太陽神ソルスと、優しく暖かい地母神テラリア。その二柱は、シノンリーファの姿をしており……。

溜めて溜めて溜めて……終わった。まさにキリト復活の舞台を整えるための17巻。直前がアルデラミンだったから「SAO、お前もか」って言いたくなった。
どこもかしこも絶体絶命であのPohまで出て来て、もっと盛り上がってもいいはずなのに、どうにも乗り切れない。むしろストレスが溜まった。
時系列通りなのかいくつもの戦局を同時進行であっち行ったりこっち行ったりしながら進むので、何処の戦局も途中でぷつぷつ切られて物語に入りにくいのが原因か。ひたすら我慢の展開も相まって、ずっとくれだまし*1を喰らっているような不愉快さがあった。
それと、これが最終決戦だと多くキャラクターを投入したのは良いけれど、それが生かされていないのが盛り上がらないもう一つの理由。特に表紙の二人。対戦相手と因縁があったシノンはまだしも、リーファは本当に何しに来たんだ?
ラストを最高に盛り上げるために一度落とすのは理解できるけど、無闇にピンチを増量しすぎじゃないですかね。どこもかしこもキリト頼みなのに、戦地がバラバラで一人で回収するの大変な状況になっているのが気になる。間延びしたりダイジェストになったりしなければいいけど。期待よりも不安が大きい。
兎にも角にもキリトが復活しないことには始まらない。キリト先生、早く起きてスッキリさせてください。

*1:あげるふりをして直前に取り上げる意地悪な行為。静岡の方言……だったのか、知らなかった。