いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「絶対城先輩の妖怪学講座 八」峰守ひろかず(メディアワークス文庫)

絶対城先輩の妖怪学講座 八 (メディアワークス文庫)
絶対城先輩の妖怪学講座 八 (メディアワークス文庫)

「のっぺらぼう」の力を持つ桜城晃が、四十四番資料室に持ち込んだ女神像。それは、「ダイダラボッチ」の謎に迫る手掛かりだった。
すぐさま御場島と呼ばれる絶海の孤島へ向かう絶対城と晃。二人のやりとりを見た礼音は、女性として、そして絶対城のパートーナーとして晃に遠く及ばないと感じ、一緒に行かないと告げるのだった。
大学に残った礼音は織口の「二口」治療を杵松と共に行ったり、一人でオカルト相談の解決に臨む。そんな中、絶対城との連絡が途絶え――?

1巻以降は依頼者との橋渡しくらいしか役割の無かった織口先生も活躍するシリーズ第8巻。今回はもののけ姫でも有名なダイダラボッチに纏わる物語。
で、誰が弱い二口女だって?w 結局怖い女の人じゃないか。まあ、女傑でなければ若くして大学で教授なんてやってられないわな。
やっぱり強かった織口女史は置いといて、今回は絶対城が小さな火山島へフィールドワークへ行ってしまう為、礼音とは離れ離れ。ライバル?の晃の存在も効果的で礼音はヤキモキ、読者はニヤニヤなシーン目白押し。それにしても、いい雰囲気になった後で一度離れてお互いの存在の大切さを再確認するなんて、まるで恋愛小説のようですね! 礼音個人としても成長した姿を見せてくれてキャラ小説としては大満足の一冊。
妖怪薀蓄もいつも通りふんだんにあって文句なしなのだが、今回は後半になると不自然なところが多々出てくるのが気になる。
絶対城が黒幕の前で秘術の真相を仄めかしたのは、わざと捕まる為じゃないの? これだとただの阿呆じゃないか。島の老婆が超科学的なことまで知ってることにも凄い違和感がある。今までは事件の結末がトンデモな結論でも納得してしまう説得力があったのに、今回に限っては説得力なし。刊行が伸びに伸びてたのってこの辺りで煮詰まってたのかもと思ってみたり。
次は“通常営業”を濃くやるそうな。これは杵松さん大活躍?