いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ゲーマーズ!5 ゲーマーズと全滅ゲームオーバー」葵せきな(富士見ファンタジア文庫)

ゲーマーズ! (5) ゲーマーズと全滅ゲームオーバー (ファンタジア文庫)
ゲーマーズ! (5) ゲーマーズと全滅ゲームオーバー (ファンタジア文庫)

『ゲームよりも亜玖璃を優先する』という、モブキャラぼっち主人公らしからぬ突然のキャラぶれを起こした雨野景太。さらに、千秋とはファミレスでイチャついたり、心春とはエロゲ的な×××したり――まるで、ハーレムラノベの主人公みたい!
この素晴らしくない世界を祝福できない上原&天道。ゼロから異世界生活始めたい気分だけど、作風的に転生はNGなので……だったら、既成事実を作るっきゃないだろう!
という訳で舞台はRPG中盤の地味な街感溢れる《シュピール王国》(遊園地)へ! こじらせゲーマーによる本気の壮絶な知略戦が始まる!! ――って、ゲームで解決しないのかよ!?

前回の引きがあれで、今回のサブタイトルがゲームオーバー。嫌な予感しかしない!
と思っていたら、亜玖璃の実に普通の対応でそれほど波風の立たないスタート。流石亜玖璃さん一般人で常識人。
しかし、心安らかに読めたのはその次の話のコノハの景太への相談までだった。コノハの下ネタは酷かった(誉め言葉)
きっかけになるのはダブルデート。持ちかけられた景太と亜玖璃の相談コンビの思考がよくわからない。「ダブルデート=上原&天道の交際宣言」なんでそうなる!?
でも、今でこそギャルな亜玖璃さんも元々物静かな少女だったから、景太と元根暗同士で思考が似てしまうんだろうね。だからこそ相談相手として綺麗に噛み合うけど、ドツボにハマったら一緒に落ちていくという悪循環。
そんな負の思考に陥るだけなら特に問題はないのだけど、必ず実を伴ってしまうのがこのシリーズ。ここまでして既存カップルの仲を引き裂かなくても。そうしないと物語にならないのは分かるけど。まあ何というか……先生、マジ性格悪いですねw
“いつも通り”に間の悪さと不運と勘違いが重なって、前回のそれとは違う決定的な既成事実的証拠を残してしまったが、直後の彼らの反応が気になる。恋愛模様においてどんどん影が薄くなっている星ノ守姉妹の巻き返しはあるのか?も含めて、続きが待ち遠しい。