いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「命の後で咲いた花」綾崎隼(メディアワークス文庫)

命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)
命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)

晴れて第一志望の教育学部に入学した榛名なずなの大学生活は、苦労の連続だった。
そんな日々の中、彼女はとある窮地を年上の同級生に救われる。突き放すような優しさを持つ彼に、次第に惹かれていくなずなだったが……。
たとえば彼女が死んでも、きっとその花は咲くだろう。絶望的な愛情の狭間で、命をかけて彼女は彼のものになる。
著者の最高傑作<書き下ろし後日譚>を収録し、待望の文庫化。
愛と死を告げる、新時代の恋愛ミステリー。

普段は持っている単行本の文庫化は買わないのだけど、After storyがあるというので購入。
同じタイトルを買ったのは文庫→単行本だった『塩の街』(有川浩)以来2作品目。


全容を知ってから読む第一部の透弥の“ツンデレ”は微笑ましいのと痛々しいのが混じって何とも言えない気分になる。彼女の母と約束はしたけれど、本当は突き放したかったんだろうなって。自分の心を守るためにも。でも根が優しいからそんなことは出来るはすもなく。
第二部の切なさは言わずもがな。再読でもばっちり泣きましたとも、ええ。
さて、お目当てのAfter storyは、
看護師・西堂視点で送るその後。予想より大分近い未来、というかエピローグ直後だ。
とりあえず一言「緑葉自重しろ」。なんて言って聞くタマじゃないが。後悔して遠回しに罪滅ぼししているところが如何にも彼女らしい。で、なんでカロリーメイトなの?
なずなに押される形で前に進めた西堂さんの言葉は、自身にはちゃんと刺さった様だったけど、透弥にも届いているといいな。