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ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン VI ―ワン・サマー・デイ―」時雨沢恵一(電撃文庫)

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインVI ―ワン・サマー・デイ― (電撃文庫)
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインVI ―ワン・サマー・デイ― (電撃文庫)

第三回スクワッド・ジャムの死闘から約一ヶ月。全国各地に散るSJプレイヤーのもとに、ある一通のメールが届く。それは、歴代大会の上位入賞チームのみが参加できるという新ゲーム、“20260816テストプレイ”への招待状だった。GGOの運営会社《ザスカー》からの依頼で開催される、SJとは全く趣旨の異なるゲーム。そのミッションとは、最新AI搭載の敵NPCが守る“拠点”を攻略するというもので――。
SHINCと交わした再戦の約束のため、消極的ながらも参加を決意したレン。彼女が目の当たりにするNPCの脅威とは。
時雨沢恵一黒星紅白が贈る“もう一つのソードアート・オンライン”第6弾!!


今回はSJ参加者が協力してNPCの守る城を攻め落とすイベント戦。初めは参加者同士で戦う展開から、敵NPCのヤバさが分かってくると協力しだす参加者たちという流れ。


これまでで一番楽しそうだった。
GGOは華やかさのない殺伐としたゲームだし、人によっては敵意剥き出し(主にピトさんへの)だったりもするけれど、後半は和気藹々な空気すら感じたくらい。敵が強いほど、壁が高いほど燃えていくゲーマー共通の性質で、次第に団結していくプレイヤーたちの様子に読んでいるこっちまでワクワクした。
それでいてテストプレイなのと二死まではO.K.なルールのおかげで、SJ本戦のような緊張感はなく、これ試してみよう、ダメだったから今度はこれと思考錯誤していくところにゲーマー心を刺激される。
キャラが多い分、いつもの味方メンバーの影が薄かったのと(主にフカちゃん)、緩めの空気だった分ピトさんの狂気がかなり控えめだったのがちょっと残念なところかな。
いつもはひりつく空気や狂気を楽しむのがメインのシリーズだったが、今回は「この人達は本気でもこのゲームを楽しんでやっているんだ」と感じられる話でとても良かった。