いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「世界、それはすべて君のせい」くらゆいあゆ(集英社オレンジ文庫)

世界、それはすべて君のせい (集英社オレンジ文庫)
世界、それはすべて君のせい (集英社オレンジ文庫)

大学の映画サークル「EDGE」で監督を担当する貴希。
ある日、同じ語学クラスで性格が悪いお嬢様・村瀬真葉が「EDGE」入部を希望してくる。断ろうとする貴希だが、真葉の様子が今までと違う。しかも彼女が書いた脚本で貴希は映画を撮ることになり・・・。
あの日突然変わった君と恋に落ちた・・・駆け抜ける僕たちの想いの行方は・・・! ?
切ない青春フィルムグラフィティ。

え? そんなオチ? えー……
小規模な映画サークルに所属する大学生のわいわい楽しい日常を淡々と描いていたと思ったら、話が突然明後日の方向に飛んでいった。
こういう展開にするならヒロインに感情移入しやすい様に作らないと切なさも何もないように思うのだが、元は性格最悪を執拗に印象付けていたのはなんでなんだろう。逆効果しか感じないのだけど。
というかその印象付けと、前半は主人公が彼女の性格が急変した原因ばかりを気にしたから、ヒロインの性格急変の理由を探るのが話の中心なんだと思って、そのつもりで読み進めたら、主人公は恋は盲目化、種明かしは超展開で、二度肩透かしを食らった気分。
一単語でネタバレになってしまうので抽象的な書き方になってしまったが、個人的にはこの展開はなしだと思う。また、大学生の青春模様としては、主人公は映画にも彼女にもそれなり真面目に向き合ってはいるものの情熱や本気は感じられず、ヒロインは第一印象が最悪でどういう目線で見ればいいのか分からずと、「どっちつかず」という言葉がしっくりきてしまう作品だった。結局これは何をメインに書きたかったんだろうか。