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「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか12」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか12 (GA文庫)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか12 (GA文庫)

そして、少年は再び走り出す。
好敵手との死闘を経て成長を遂げたベル。昇格、神会、称号。人々や神々、オラリオ中の注目を集める中、彼のもとにもたらされるのは一通の書状だった。
「強制任務……『遠征』?」
ベル・クラネルは『資格』を得た、更なる冒険に臨め――。ギルドより届いた指令がベルを新たな舞台へと導く。迷宮攻略のために発足される『派閥連盟』。
これまで戦ってきた仲間達とともに、新たな階層、新たなモンスター、そして新たな『未知』に挑む。新章開幕、下層域『新世界』へと突入する迷宮譚十二弾!
これは、少年が歩み、女神が記す、 ──【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──

『戦争遊戯』編、春姫編、日常短編、『異端児』編。ずっと舞台は街だった。その間ダンジョンに全く潜らなかったわけではないが、ベルが冒険者の本分であるダンジョン探索をするのは実に5巻以来。長かったなあ。
そんな久々のダンジョン探索回は原点回帰したような面白さ。
綺麗な起承転結に一話完結のすっきりした作り。女の子の出会いと強敵との出会いと決着。そして何と言ってもベル君の成長を感じられるストーリーに、成長と燃えを引き出すギリギリ感。これぞ『ダンまち』。ダンジョンでは出会いを求めていなくても出会ってしまうのがベル君なので、タイトルは間違っていると思うけどw
あと、今回忘れちゃいけないのがファミリアの仲間たちの成長。
自分より上位の相手に技で立ち向かう命の姿は主人公のそれ。最もストレートにベルに感化されているのは彼女だろう。でも一番変わったのはリリ。戦闘での自分を生かす道を見つけ、パーティを統率する姿が頼もしい。冒険者らしからぬ素直なメンバーが揃っているからこそ生きる能力ではあるけれど。
後の二人は、、、春姫のスキルアップは「展開上の都合」感が強くて(^^; ヴォルフは鍛冶のスキルが上がっているならいいんじゃないかな(投げやり)
次はリューさん回? 本人は開始早々「店に居ました」でアリバイが成立しそうだが、そこから混沌としていくのが本筋かも。そして一人恋する乙女劇場を繰り広げていたエイナさんに春は来るのか?多分来ない!


ところで、
ベル君の新二つ名これでいいのか? 語感や語呂の良さ、字面、中二度の全てにおいて微妙。命の中二感たっぷりの二つ名や技名、ヴォルフの二つ名に纏わるエピソードに比べると大きく見劣りするんだが。まあすぐ変わるか。