いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「弱キャラ友崎くん Lv.5」屋久ユウキ(ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.5 (ガガガ文庫)
弱キャラ友崎くん Lv.5 (ガガガ文庫)

教室での一件を受けて、まさかの師弟関係と相成った俺とたまちゃん。表情、姿勢、喋り方。俺は師匠として、自分が『リア充』になるために重ねてきた努力とノウハウを、たまちゃんに伝えていく。一方、日南は日南で、裏でなにやら動いていて――。相反する考え方で問題に向き合う俺たちは、やっぱり協力はできない。でも、『大切な目的のためなら、自分を曲げるのも辞さない』こと。この戦い方はきっと、俺が誰かさんに教えてもらったことなのだ。
――大人気人生攻略ラブコメ、待望の第5弾!

おい、菊池さん登場時だけ地の文が幻想ファンタジーになってるぞw 挿絵も2枚あるし特別待遇ですな。
まあ実際天使だから仕方がない。たまちゃんもいい子だったけど、菊池さんの浄化力には敵わない。菊池さん登場シーンだけで満足してしまった自分がいるもの。
何故これで菊池さんルートに移行しないのか……。


さて、本題の方はイジメの標的になったたまちゃんを助ける5巻。
たまちゃんとのレッスンで自己啓発な面が戻ってくるかとちょっと期待したんだが、もう完全にスクールカーストの話にシフトしてしまったんだね。学生時代そういうところで苦労したことがないから、スクールカーストの話題はピンと来なくて、テーマとしてあまり得意ではない。仲間内の人間関係ならまだしも、クラス内のパワーバランスばかり考えながら生活している高校生ってなんかやだ(^^; こいつら窮屈に生きてるなーとしか思えない。
それはさて置き今回は、たまちゃんのいい子具合に心を洗われつつ、魔王と化したプッツン日南に恐れおののく回だったかと。
表面上は善意で内心は悪意たっぷりで、女王・紺野を吊し上げるキレた日南さんマジ怖い。これを下準備から着々と積み上げてる様子を想像すると背筋が凍る。どれだけ怒りの持続時間長いんだ。さらに正義の人たまちゃんでトドメを刺しに行く辺り作者はなかなか人が悪い。日南と違って悪意も計算もない本物の善意からだからまさに会心の一撃。……と思ったんだけど、あれ? なんでこれで一件落着みたくなってるの? しかもトドメを刺されたはずの紺野が何故復活できてるの? もの凄く腑に落ちない。
正直、4巻から自分の常識の範囲内では理解できない話になってる(^^;  結局、最後まで女王・紺野エリカの人物像がイメージできなかったのが敗因なんだろうか?
でも、次から当初の予定通りに日南攻略ルートに行ってくれれば解る話に戻ってくるはず。たぶん。但し、今回で攻略対象の「攻略」の意味が変わってしまった気がしなくもないけど。
これはもう魔王日南にヒロイン菊池が攫われる展開にするしかねーなっ!w