いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「猫だまりの日々 猫小説アンソロジー」(集英社オレンジ文庫)

猫だまりの日々 猫小説アンソロジー (集英社オレンジ文庫)
猫だまりの日々 猫小説アンソロジー (オレンジ文庫)

仕事を失った青年の願いを叶えるべく、彼を訪ねてきた猫。かつて飼っていた猫に会えるという噂のある、ちょっと不思議なホテル。猫飼い放題の町で出会った彼と彼女の恋。猫が集まる縁結びの神社で起きた、恋と友情にまつわる出来事。死後に猫となり、妻に飼われることになった男――。
人気作家が描く、どこかにあるかもしれない猫と誰かの日々。全五編を収録。

集英社オレンジ文庫版猫アンソロジー
死んだ人が猫に転生したり、猫が人に化けたり、人と猫を隔てる垣根が低いのが特徴の作品群。
その特徴が自分には合わなかったのか、今一つピンとくる作品がなかった。まあ、猫の口を借りて人の愚痴を言う作品ばかりだった新潮の某作品よりかはまだよかったけど。
一言ずつ感想を言うと
ハケン飯友』:これが長編の一章だったら先を読んでみたいと思ったが、短編としては未完成の尻切れトンボ。
『白い花のホテル』:叙述トリックぽいことに後から気付く。せめて性別は揃えておいた方が……。
猫町クロニクル』:ハッピーエンドに見せ掛けたオカルトホラー。読後感悪し。
『縁切りにゃんこの縁結び』:短編なのに登場人物+猫多すぎ。とっ散らかっている。
『神さまはそない優しない』:五作の中では一番だが、大切な“一言”の使い方があまり好きじゃない。
猫小説はなかなか当たり引けないな。特にアンソロジーは。
猫好きなのに猫を飼える環境にいたことがないから猫への憧れが肥大化しているんだろうか。物語を面白いと思うかどうかにはあまり関係なさそうだが。