いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?」出井愛(MF文庫J)

この小説はラノベ好きをこじらせた“ぼっち”の安藤くんと“学校一の美少女”の朝倉さんが交流する物語である。
ザ・委員長ちゃんや爆乳元気っ娘、安藤くんの妹ちゃんが登場することもあるけれど、99パーセント(編集部調べ)安藤くんと朝倉さんがイチャイチャしている(クラスメート視点)だけの悶絶必死の甘々ラブコメなのだ。
そんな甘酸っぱい日々がずっと続く――と彼らも思っていた……けれど?
「私、安藤くんが大好きなの!」
突如として飛び出した朝倉さんの告白が、彼らの関係をちょっと進めたり、やっぱり進まなかったり……?
Webで悶死報告多数! すれ違いが絡まり合う新世代の学園ラブコメディ、待望の書籍化!


一話2ページから8ページ、文章は「会話」と(内心)の描写のみで構成される四コマ漫画ラノベ
ネガティブ志向なぼっち安藤くんと、常にテンパっている残念美少女朝倉さんが、お互いの言葉を勘違いしあいながら、二人としては必死に、傍から見ればイチャイチャしてるだけの会話をするラブコメ


好みではありませんでした。
会話ばかりでテンポがいいかと思いきや、結局内心が地の文になっていて、そうでもない。二人ともテンパり属性なので、内心の描写がどちらがどちらかわからない時がたまにあり、むしろ読み難いと思う時すらある。
それに、キャラクターの気持ちを一から十まで全てを語ってしまうのはどうかと思うんだ。
会話に含まれているニュアンスを表情や背景などの絵で読ませるのが漫画なら、行間や情景描写で読ませるのが文章作品の醍醐味なんじゃないかな、と。
ラノベにそんなもの求められてもと思われるかもしれないが、キャラクター小説だからこそ大事にしてほしいところ。読み手に想像の余地のない作品が面白いとは思えないし、謎がまるでないキャラクターに魅力は感じない。
エピローグの大事なところで誤字るオチまでついてしまって、大変残念な読後感。