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「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか13」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか13 (GA文庫)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか13 (GA文庫)

「【破滅の導き手】……【約束されし妖精】……エルフ? 【疾風】のこと?」
18階層の宿場街にもたらされる殺人の凶報。犯人は黒表の賞金首――【疾風】。耳を疑うベル達がリューの容疑を晴らすべく、彼女の行方を追い始める中、カサンドラは『最悪』の予知夢を見る。
告げられし十七節の予言。
予言の成就は大切な者達の『死』。
絶望に打ちひしがれる悲劇の予言者は、破滅に抗う孤独の戦いを始める。そして真相を追う少年が、黒き復讐の炎に焼かれる妖精と邂逅を果たす時、かつてない【厄災】が産声を上げる!
これは少年が歩み、女神が記す、 ──【眷族の物語<ファミリア・ミィス>】──

遠征の帰りに18階層で起きた殺人事件に巻き込まれる13巻。
前回の引きとこの巻の表紙からリュー回かと思いきや、予知夢を見る少女・カサンドラが話の中心だった。彼女の見た悪夢に沿って事態は最悪へ最悪へと流れていく。まだヒロイン増えるんかい!と頭の片隅で思いつつ、そういうこと言いだす空気に一切ならない全編どシリアス。
リューを犯人に仕立て上げる扇動が行われていることは確かなのに、主犯とその目的が見えてこない。悪夢を回避しようと一人奮闘するカサンドラは、自己主張も論理的な説明も苦手で要領を得ない。【厄災】のモンスターが現われても、その姿はしばらく謎のままモブ冒険者がただ虐殺されていく。
と、全てにおいて輪郭がぼやけていて、なんとなくの不気味さは伝わってくるが、怖さは伝わってこないし、何よりモヤモヤする話だった……7〜8割くらいは。
それが【厄災】の全容が明らかになり、それまで慣れないことで頭を悩ませていたベルが感情で動くようになってからは、いつもの『ダンまち』が戻ってきた。熱く激しい圧倒的強者との死闘。やっぱりベル君はこうでないと。でも流石にベル君が強くなりすぎじゃないですかね(^^; 止まらないインフレに若干の危機感を覚える。
……って、これ前編だったのか!? 一難去ったはずなのに、あちこち絶体絶命のオンパレードになっている。なんて酷い引きだ(誉め言葉) 後編はそこまで時間かかりませんよね?