いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「妹さえいればいい。9」平坂読(ガガガ文庫)

妹さえいればいい。 (9) (ガガガ文庫)
妹さえいればいい。 9 (ガガガ文庫)

相生初に続き、第15回新人賞受賞者たちの作品が続々と刊行された。那由多に憧れる笠松青菜もどうにかデビューを果たすのだが、待っていたのは酷評の嵐だった。伊月はそんな彼女の姿に自分のデビュー当時のことを思い出し、励ましの言葉をかける。一方、いよいよ放送が近づいてきた『妹のすべて』のアニメ制作ではさらなるトラブルが相次ぎ、京はいよいよ就職活動が始まり、千尋の前にもお掃除ロボットではなくちゃんと人間のライバルが登場する。大人気青春ラブコメ群像劇、妹がいっぱいの第9弾登場!!

9巻にしてついにタイトル通りに事が運んでいる!?
伊月先生、妹量産体制に入りました。後輩作家に後輩作家の孫と次々に妹を増やしていく伊月の妹力に戦々恐々とする9巻。……なんのこっちゃ。
それにしても伊月は年下の女の子にモテるなあ。基本残念なのに、時々格好良い姿を見せるギャップがずるい。今回も後輩作家を立ち直らせる一言がラノベの主人公みたいに格好良かった。……ん?
しかし、今回ばかりはそのことが甘えたくても甘えられない本当の妹・千尋に多大なるストレスを与えていくのであった。小さな事象の積み重ねに追い詰められ思い悩む千尋の様子が……拗ねてる千尋君かわいいな、本人には悪いけど。かわいい千尋を何度も読めて割とそれだけで満足。
悩むと言えば、悩める人でお馴染みになりつつある京は今回も悩んでいた。
ただ、こちらはあちこち違和感が。
今買い手市場だから、こんなお祈りメール連発状態にはならないのでは? 設定してる時代が少し前なんだろうか?
それと京が吹っ切れるきっかけになった新人作家の振る舞い。慣例や常識を知らなかったとしても、1回駄目なら即他へという行動は人としてどうかと思う。少なくとも京が涙を流すに値しない人物であることは間違いない。
まあ、そんなことより今回は千尋君だ。
言っちゃったかー。次がどうなるか楽しみで仕方がない。でも、いくらでも誤魔化し効きそうな感じではある。