いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺、ツインテールになります。15」水沢夢(ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 (15) (ガガガ文庫)
俺、ツインテールになります。 15 (ガガガ文庫 み 7-20)

ある夜、総二の前に再びソーラが現れ、「あなたはもう、戦わないで」と悲しげに告げる。一度は総二のことを認め、心を託してくれたはずのソーラがなぜ!? 一方、トゥアールからテイルブレスオルターを奪い取ったマーメイドギルディは、その解析データからテイルギアと同等の力を持つ武器を開発し、エレメリアンたちに装備させる。そして怪人たちは侵攻を開始し、絶望的な戦局が幕を開ける……。女神の口から語られる、ツインテールの真実とは!? 宇宙がツインテールとなったあの日、全てが始まった――。

ヒーローもののお約束はもう粗方やりつくしただろうと思っていたが、そうか、まだ“自分たち”との対決が残っていたか。作品によって影だったりコピーだったりするが、これもまた一つの定番だ。ヒーローものというジャンルの引き出しの多さに、歴史と懐の深さを感じるラストバトルだった。……まあこのシリーズなので、変態さが苦笑ものなのに展開には燃えてしまうという、言いようのない敗北感が付きまとうけどねw
その前の(ある意味本題の)日常パートは総二の誕生日+スランプ!トゥアールちゃん回。
トゥアールがメインだったからなのか、「ツインテール」より「おっぱい」と言っていたシーンの方が多かったように思うのは気のせいか? いやもちろん数えてはいないけども。これはシリーズとしてのレゾンデートルが危ぶまれる事態に!?と一瞬思ったが、どちらも通常の文章で連発する単語ではないから、日本語の崩壊度は大して変わらないな。周囲の全てツインテールに見えるのが日常な総二から、世の全ての二つの膨らみが全て怨嗟の的になっている愛香に視点が変わっただけの通常営業だ。……多分。そんなんでも愛香は残念カルテットの中では一歩リードだから。目標も一人だけ果たしたし、一応。結乃やソーラが復活したら、ヒロイン力では歯が立たないとは思うけど。
衝撃で最凶なエピローグで次回へ続く。ヒーローもののお約束を外さないこのシリーズなら、これは死亡フラグではなく覚醒フラグだと信じてる。あ、でも、誰かが亡くなったことでパワーアップするパターンもあるな……。