いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」ざっぽん(角川スニーカー文庫)

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました (角川スニーカー文庫)
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました (角川スニーカー文庫)

「君は真の仲間じゃない――」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦力外を言い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。
「はぁ、あんときは辛かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が大パニックになっているとは露知らず、当の本人は辺境の地に移り住み薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが……「私もこのお店で働いていいかな? 住み込みで!」突如かつての仲間であるお姫様が自宅まで訪ねてきて!?
“のんびり楽しい薬屋経営”、“お姫様とのイチャイチャ生活”、報われなかった英雄による素晴らしき第2の人生がはじまる!

タイトルが長くて覚えられない! 辺境スローライフでいいじゃん



ヒロインの紹介文:ツン期の終わった元ツンデレ。という一文に惹かれて購入。
RPGの「途中で離脱する仲間」を主人公に”をコンセプトにした作品。なろう系の作品ではよく見かける、勇者の第二の人生を描く作品の亜種ってところか。隙間産業化進んでるなあ……。
まあ、そんなことより押しかけ女房のリーズレット(通称:リット)ですよ。
一国のお姫様が身分を捨てる覚悟で押しかけてくるという男冥利に尽きるシチュエーション良し、イチャイチャ具合も良し(やや分量は足りない気がするが)。相手のレッドも、ラノベ主人公らしく場の流れでなあなあで傍にいるのかと思いきや、後半になってちゃんと正面から想いを受け止めているのも好印象。
でもそれ以上のニヤニヤポイントが存在する。それが時々挿まれる、二人の出会いや一緒に戦った戦などが語られるの思い出話。
主人公とヒロインが一緒にツンツンした過去の振る舞いを振り返ってヒロインを辱めるという、S心を刺激しつつ赤面系ヒロインは十全に味わえる素晴らしいプレイ。これは楽しい。
一緒にレッドが追い出された勇者パーティの残念さも語られているが、まあリットの前ではおまけだな。
今後もスローライフとイチャイチャを読ませてくれれば満足なのだが、その勇者パーティに盗賊ギルド、リットの実家も絡んでくるかもしれなくて、そういう展開は望み薄かな。でも勇者とのご対面はちょっと楽しみ。