いつも月夜に本と酒

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「百錬の覇王と聖約の戦乙女16」鷹山誠一(HJ文庫)

百錬の覇王と聖約の戦乙女 16 (HJ文庫)
百錬の覇王と聖約の戦乙女 16 (HJ文庫)

スカーヴィズの死という手痛い損失を被りながらも、信長率いる《炎》を撤退させることに成功した勇斗は、一転、東へと軍を進める。すべてはユグドラシルの人々を、大陸崩壊前に可能な限り救うために――しかし向かう先には、恐怖と知性を兼ね備えた美しき女帝ウートガルド率いる《絹》が待ち受けていた。
異世界で少年が覇道を征くファンタジー戦記、勇斗の意志が大陸全土を貫き通す第16巻!!

沈みゆく島からの脱出経路を確保すべく、東の港がある《絹》の制圧に乗り出す《鋼》の巻。
vs信長初戦が痛み分けに終わり、次はどうなるかと思ったら、これは準備に徹してきたね。本来はこの船で脱出する計画の方が本題のはずなんだけど、微妙に影が薄いは相手が相手だからしょうがないか。
それはそうと、大事の前の小事とはいえ、ここまでヘイトを稼がなくてもと思うほど《絹》の宗主が絵にかいたようなクズだったことに苦笑い。象とか鞭とか女王様とかキャラは濃かったのにどうしてこうなった。もう快勝、完勝ができるような相手が残っていないから、ここぞとばかりにやっつけるとスッキリする雑魚を出したって事なのかしら。まあ、戦の最中に見せた勇斗覚醒の兆しが本題だったんだろう。
それに加えて、前の戦の後処理で因縁を増やし、信長側も奥の手をちらつかせと、最終決戦が盛り上がる燃料を次々と盛っていったような回だった。
今度こそ舞台は整ったので次からは思う存分戦ってくれることに期待。