いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「君死にたもう流星群2」松山剛(MF文庫J)

君死にたもう流星群2 (MF文庫J)

前代未聞の人工衛星テロ『大流星群』。そこで命を落とした天野河星乃を救うため、平野大地は八年前の世界にタイムトラベルする。星乃を狙う謎の悪意エウロパを撃退し、望む未来に近づいた大地。だが、過去を改変した結果、親友たちの運命までも変えてしまう。涼介と伊万里が結ばれるはずだった運命は分岐し、医者になるはずだった涼介は高校に意味を見いだせず自主退学を決意する。そんな中、人工衛星の消失事件が相次ぎ、そこに網膜アプリの開発者『六星衛一』が登場、さらには『天野河星乃』を名乗る、成りすましSNSアカウントも現れ――。各所で話題沸騰! 『夢』と『宇宙』がテーマの感動巨編第二弾!

この作品、一番大きな看板が『夢』だったのね(^^;
主人公・大地が掴み損ねた夢にもう一度チャレンジする物語という認識はちゃんとあったけど、タイムスリップからのサスペンス部分の方が気になって&気に入っていたので、スペースロマン×サスペンスがメイン看板だと思い込んでいた。なので帯やあとがきを読んで認識のズレに驚いた。
確かに今回は、過去を改変したことで失われた親友・涼介の夢を取り返すために奔走する大地の物語だったけれど。主に後半になって熱くクサい台詞がバンバン出て来て、青春小説好きとしては楽しませてもらった。
でも、どうしても意識が向くのはサスペンスの方。
エウレカ事件と人工衛星消失事件という一見関係なさそうな事件や、星乃の偽アカ問題などの細かい事柄がサイバー・サテライト社という民間企業によって一つの線に繋がっていく過程とか、その道筋のあちこちに伏線が散りばめられているところとか。
今回のキーパーソン『六星衛一』のこと以外にも、大地が途中で思考を遮られた事柄がいくつかあるので、その辺りが今後の鍵になりそう。1巻に続きまた1回だけ出てきた謎の少女にエピローグの少女の正体、あのタイミングで葉月が脳震盪を起こした原因も気になるところ。
と、やっぱりこの作品は自分の中ではサスペンスメイン。まあ、読み方は人それぞれってことで。