いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「居酒屋ぼったくり10」秋川滝美(アルファポリス)

居酒屋ぼったくり〈10〉

東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。
名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――
旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の第10巻!

要、美音の結婚話が全然進まないことにヤキモキし出した馨がご意見番たちに相談したことから始まる、当人たちよりも周りがお祭り騒ぎなシリーズ第10弾。
馨ちゃん頑張った。馨がアクションを起こさなければ、あの二人は現状維持のつもりだっただろう。その頑張りに下町のお年寄りたちと常連さんたちのノリの良さと人の好さが合わさって、皆で全力で後押ししている一体感が良かった。お節介が過ぎると感じる面(シンゾウさんのお説教とか)も無いことは無いけれど、それを含めて、美音と馨姉妹があの下町の人達にどれだけ大切にされているかが改めてわかる、心が芯からあったかくなる話の数々だった。
それと、かなり久しぶりの料理とお酒の話が濃かったのが嬉しい。
お酒は缶酎ハイから限定品の高級日本酒までと乱高下が激しい回だったが、気になったのは地ウイスキー
料理の方ではお手軽酒の肴が多かった。それが何より嬉しい。
読んだ日の次の日のつまみは早速ジャガイモのガーリック炒めに。あとたこ焼き器アヒージョは発明だ。オリーブオイルが少なくて済む。……たこ焼き器どこに仕舞ったかな?
いつも以上に、ご近所さんの人情と上手そうな料理と酒で二重に温かくなる10巻だった。
結婚式とか新婚旅行とか、外のことは細かくやらないだろうから、次はリニューアルオープンからかな?