いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ひとり飲みの女神様」五十嵐雄策(メゾン文庫)

ひとり飲みの女神様 (メゾン文庫)

中堅の商社に勤める川本月子は、ごくフツーの平凡なОL。そんな彼女の唯一の楽しみは、毎週金曜日に飲みにいくこと。 愛読するグルメブログ「ひとり飲みの女神様」をチェックして、サクサク白海老の唐揚げとキンキンに冷えたビール、ぷりっぷり生牡蠣とすっきりグレープフルーツサワーなど、お酒とグルメを堪能。 そしてぶらりと立ち寄った酒場では、一期一会の意外な“縁”もあり……? 赤提灯に誘われて、今宵も行ってみましょう、ひとり飲み!

毎週金曜の仕事終わりに、自分へのご褒美としてひとり飲みに繰り出すことを楽しみとする女性の話。ワカコ酒的短編小説。
話としては、愚痴を聞いてくれるマスターや、客を含めた店の雰囲気。あとは新たな出会いだったり、お酒で少し変わる同僚との関係性だったりと、人の機微の方がメイン。
一方で、お酒そのものや料理の描写は薄く、あまり興味をそそられないのが残念な点。第四話の家飲みの話で、つまみを作るシーンにちょっと飯テロ力があったのが唯一の例外。
そうしてみるとワカコ酒とは違うかな。あれは一品の料理と酒を、如何に美味しく楽しむかを追及する漫画だから。本作の主人公・月子は、場の雰囲気や出会いなどを含めてお店とお酒を楽しんでいる。性別に似合わず豪快に飲み食いするのも楽しそうに映る一つの要因だろうか。
どちらにしても、都会ならではのお酒の楽しみ方で羨ましい。ましてや毎週新しい店を見つけるような楽しみ方となると、それこそ一部の都市でないと出来ないだろう。地方住みでさらに田舎者にはこういう作品を読んで、妄想して自分を慰めるしかないないのです(涙)
一話一話が短く気楽に読めてホッと一息つける、そんな作品。