いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「戦うパン屋と機械じかけの看板娘 9」SOW(HJ文庫)

トッカーブロートの「驚天動地の九日間」、幕開け!!
マイッツァーを狙った機械兵の襲撃により、スヴェンが機械であるとルートにばれてしまう。二人が状況を理解する間もなく、ダイアンとブリッツドナーまで現れ、混迷を極めるトッカーブロート。普段ならこの混乱を収める側に回るジェコブも、突然の父親登場にその場を立ち去ってしまう……。
スヴェンが看板娘になっておおよそ一年。ついにすれちがい始めたスヴェンとルート。聖女が裏で動き出す中で、スヴェンとルートの二人の未来の行き先は――。


表は情けない男たちが、励まされたりケツを蹴飛ばされたりしながら、勇気を振り絞るホームコメディ。
裏は世界が再び戦争に突入するかの瀬戸際で駆け引きされる、黒幕たちの水面下の小競り合い。
という、ギャップがとんでもないトッカーブロート「驚天動地の九日間」開幕編。
メインは表なので表から。
過去のエースパイロット二人が情けない話だったのだけど、目立っていたのはルートではなくジャコブ父。これがまあ、面倒くさくて往生際の悪いおっさんでw 妻の懐の深さがなかったらどうなっていたことか。シャロデさんは女神ですか? 神々しい……。
それに比べればダミアンに少々発破をかけられただけで、行動を起こすのでルートは全然普通……!!?
一足飛びにそこまで行っちゃうの!? 不器用な男が本気を出すと恐ろしい。この先どうなるかわからないけど、とりあえず「おめでとう スヴェン!」
裏の方は、規模が大きくて全貌が見えてこないと何とも。とりあえず“聖女”の目的とやり口のえげつなさに戦慄するくらい。意思表示をしていないマリー・ヴェルがどう動くかが注目。
当たり前だけど、表と裏は後でひとつの話に繋がってしまうんだよね。今回のいくつかが死亡フラグに見えなくもないのが怖い。