いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話3」緋月薙(HJ文庫)

恋人を目指すようになってから初の夏休みを迎えた悠也と美月。
いつものメンバーで花火大会を楽しみ、大河&雪菜ペアの馴れ初め話からもヒントを得た二人は、恋人以上のステップへ!
そんなタイミングで、八月にある二人の誕生日を祝うため、毎年恒例の家族旅行へ出かけることに。
海や温泉を満喫したうえに、普段は避けている二人きりの同室お泊りで、悠也と美月はどこまでいってしまうのか――!?
無自覚バカップルの恋仲“もっと"進展物語、最甘の第3弾!


生まれながら許嫁で関係も良好、高校生にして熟年夫婦のような二人が”恋人”を目指して奮闘するラブコメ、第三弾。祭りに海に旅行、それに二人の誕生日とイベント目白押しの夏休み編。
夏休みということで、クラスメイトも生徒会メンバーもおらず、悠也と美月、大河と雪菜、美月の兄夫婦の三組のカップルに話を凝縮し、甘さを煮詰めたような話だった。
今回の二人のテーマは、一線を超えるか超えないかという身も蓋もないお題。おかしいな、シリーズ当初は手を繋ぐ繋がないで大騒ぎしていた記憶があるのだが。随分遠くまで来たものだ(遠い目)
そんなわけで兄夫婦の経験談を参考に、悠也と美月が自分がどうしたいか、相手とどうなりたいかを真剣に悩む話だったのだけど、面白いのは兄夫婦のエピソードの方だったり。嬉し恥ずかし残念エピソードばかりで、参考というより反面教師になっているという。ニンニクからのアルコールは笑うわw
そんな後押し(妨害?)がありつつ、二人が出した答えは、、、
恥じらって逃げてそのもどかしさを楽しむラブコメが多い中で、恥じらいを残しつつもど真ん中に剛速球な愛情表現と、それをお互い逃げることなく真正面から受け止める様子。これがこの二人の良さで、甘さの秘訣なんだろうな。
でも肝心なところはヤりそうでヤらない。その感じはちゃんとライトノベル。と言いつつ、あのラストでこの表紙だから……ねえ。
期待通りのベタ甘ラブコメで、もう流石と言う他ない甘さ。ごちそうさまでした。