いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 16」手島史詞(HJ文庫)

迫るシャスティルの誕生日に、頭を悩ませ知人に相談することにしたバルバロス。そこへ妖艶な美女〈魔王〉エリゴルが彼を勧誘しに現れる。
一方、バルバロスが美女の勧誘を受けていることを知ったシャスティルは彼を密かに尾行することに。
そこで目にした光景に、盛大な勘違いをしたシャスティルはついに自らの感情を抑えきれなくなって――
「その男は私のだぞ!知らないやつらが勝手に取り合うな!」
大人気ファンタジーブコメ、第16巻!


ザガンが魔王大戦の後処理とネフィの誕生日の準備に忙殺される中、シャスティルの誕生日も迫っていた。そんな風に忙しくも平穏な束の間の日常を満喫しているザガンファミリーの裏側で、活発化する魔族の侵攻に、何を考えているか分からないマルコシアス陣営の動きなど、新章の核心に向けて着々と伏線が張られていく新章二巻目。
というわけで、敵になる新たな魔王に敵か味方か分からない魔王候補たちも続々顔見せし、世界の危機に繋がる魔族の登場と、ストーリーとして大事な事柄がいくつも出てきた重要な回……だったはずなのだけど、印象に残っているのは「シャスティル頑張った!よくやった!」だけっていう。まあ、いつもの本作ともいうw あらすじにもある「私の」発言だけでお腹いっぱいです。ごちそうさまでした。
それにしてもファンタジー作品で、女友達にプレゼント選びを手伝ってもらって、その現場を見られて彼女がショックを受ける現代ラブコメの王道シチュエーション(いや、どちらかというとNTR系薄い本の定番か…)をやるとは。広いラノベ界隈でも、これ以上の配役は見つけられないじゃないかと思うくらいピッタリな二人だけども。おかげでニヤニヤが止まらないけども。
このシチュで最大限の成果を出せたのはゴメリ婆さんの働きが大きい。お婆ちゃんが珍しく最後まで裏方に徹するいい仕事。いつもは自分の欲望が我慢できずに出しゃばって、場の空気を壊して台無しにすることが多いのに。今回の影のMVP。
次回は魔族の話が本格化しそうな気配? そんなことよりそろそろネフィとイチャイチャしようぜ!