いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ロクでなし魔術講師と禁忌教典22」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

フェジテでの決戦は突如現れたジャティスの手によって衝撃の結末を迎えた。天の智慧研究会は打ち倒され、アルザーノ帝国の被害も甚大。己を阻む者が消えたジャティスは“正義”を実現するため、つに禁忌教典へと手を伸ばす。
「あの遥かいと高きメルガリウスの天空城……その最深部にて、君を待つ。最終決戦だ……文字通りの、ね」
グレンにそう告げると同時に、世界を未曽有の危機に陥れるジャティス。グレンは今こそすべての因縁に決着をつけるべくメルガリウスの天空城へ降り立つ。そこで待っていたのはこの世界に隠された衝撃的な真実だった――!


ついにグレンの前に立ちはだかったジャティス。最終決戦開幕!な22巻。真のラスボスの登場で突然の退場になった天の智慧研究会の《大導師》の物語を補完しつつ、グレンたちが対ジャティスに向けて立ち上がる。
日本人出てきちゃったよ。
SF的というか次元時空を超えた全宇宙的な話になっているのは前からなので、そこにはそれほど驚かなかったが、突然の高須さん登場にはびっくり。でもこれ、現代日本じゃなくてファンタジー日本なら、日本である必要性も和名である必然性も全くないのでは? 無駄に世界観を壊しただけのような。。。
まあそれはそれとして、今回はグレンが目立つ回だった。悪い意味で。
ラスボスは舞台を完璧に整え、ヒロインたちのパワーアップとサポートと情熱は120%。サブキャラたちも過剰なくらいのお見送り。なのに主人公だけが一人煮え切らない。満身創痍な訳でも悩んでいるわけでもなく、何となく「これでいいのか?」と思っているだけの、まさに煮え切らないという言葉がピッタリな状態。その所為で佳境なのに全く盛り上がらない。
ちゃんとした答えが出てからラスボスを倒さないと説得力がないのも、一度やられてから逆転した方が盛り上がるのも理解はできるのだけど、ラス前でここまで凹ます必要があったのかなって。この言葉は大嫌いだけどこれは言いたくなる「お前、空気読めよ」って。
次回、今度こそクライマックス。グレンが復活してちゃんと盛り上げてくれると信じている。