いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「転生王女と天才令嬢の魔法革命7」鴉ぴえろ(富士見ファンタジア文庫)

「魔学都市計画の責任者を、アニスにお願いしたいのです」
ヴァンパイアとの決戦を経て、ドラゴンの力を取り込んだアニスフィア。だが、女王として政務を行うユフィリアとともに彼女たちの“魔法革命”はまだ道半ばだ。そんな折、アニスは魔学の発展のため、新都市を造り、そこの騎士団長になることに――
「アニス様は、魔道具を武器として普及させるのを避けていた筈でしょう?」「今なら、私は魔道具を多くの人がより良い未来を掴むための力にできると思っている」
魔学都市と、新たな魔道具。魔学の発展は、すべての民のために。アニスが魔法に懸けた夢は、ユフィがアニスに懸けた夢は、今新天地へ――!


魔法改革の柱として魔学の中心となる新都市を新造する計画が持ち上がる、新章「魔学都市編」開幕。
ヴァンパイア騒動と寿命の格差問題が(良いか悪いかを別にして)片付き、アニスとユフィが国の改革に本腰を入れる。

この巻で印象に残る事柄は大きく三つ。
一つはこの国の貴族社会のおさらいや、この世界の魔法の概念を新発見を交えながらじっくり解説する会議など、改めて魔学を発展させるにあたっての説明パートが多くて濃いこと。
二つめは主要サブキャラの掘り下げ。アニスに理解ある部下として4巻から出ているけど、それほど目立った活躍はなかったハルフィス、ガーク、ナヴルのそれぞれの葛藤を描かれている。
この二つはこれから新章を盛り上げていくための下準備は十分な新章開幕らしい内容といったところ。
そして三つめは、二人の時は必ずイチャイチャするアニスとユフィ。これはある意味通常営業か。
二人ともワガママ度が増していて、甘えるのも上手になっているような。王都と都市開発地区で距離が離れたと事も、逢った時に燃え上がる良いスパイスになっていて、これまで以上に甘くてエッチだ。いいぞもっとやれ。
このシリーズの事だからまたドデカい壁にぶち当たるのだろうけど、アニスとユフィだけでなく近しい他のメンバーを交えて乗り越えていく、熱い展開になりそうで楽しみ。
ただ、新メイドが二人出てきて、イリアとレイニの出番が少なくなりそうなのがやや気がかり。この二人の問題もちゃんと決着させてくださいね。