いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「負けヒロインが多すぎる!6」雨森たきび(ガガガ文庫)

負けヒロインが多すぎる! (6) (ガガガ文庫 ガあ 16-6)

先輩たちが卒業していく、春。焼塩がこっそりと俺に耳打ちする。「ぬっくん。あたしとデートしよっか」……まさか、自分の高校生活にそんなイベントが起こるとは。竹島水族館での初デート、やっかい娘たちとの攻防。けど、そのときの俺は分かっていなかった。焼塩の抱えるもの、心の揺らぎ。そしてまさか、彼女との“退部をかけた”100m一本勝負が待ち受けているなんて――。
大人気負け確ラブコメ、第6弾。――こんがり娘が運ぶ、春の嵐


【祝】TVアニメ化決定!
今年中にTV画面を彩るであろう三ヒロインが口絵に登場!
デートでお洒落した塩焼檸檬。お菓子を前に涎を垂らしアホ顔を晒す八奈見杏奈。風呂上がりでえっっっな下着姿の志喜屋夢子。
さあ、誰がメインヒロインだ!?……アニメ化に伴ってパッケージヒロインは替えた方がいいんじゃないか?


3月、卒業の季節。これまで頼りにしてきた先輩たちが卒業を迎えて寂しさと不安を感じる……暇もなく、陸上部も文芸部も辞めると言い出した檸檬の悩みに全力な温水少年の様子を描く、一年生ラストの第6巻。
学期末で色々とやるべき事、気に掛ける事はあるけれど、まずは目の前の困ってる子に一生懸命。温水少年の良さ「友達がい」が遺憾なく発揮された話だった。ぬっくん、君はホントにいい奴だ。
周りが揃って恋愛脳な色眼鏡で見てくるのを、時に持ち前の鈍感さで、時に分かっていてもわざと無視して、友情と青春のベクトルでひた走る。相談すると親身になって一緒に悩んでくれて、それでいて情熱や暑苦しさは一切感じさせない当たりの柔らかさ。こういう奴だから、フツメンのニブチンでも周りの女の子たちが離れていかないのだろう。どこまでいっても「いい人」だから恋愛には発展しないんだけど。
なにせヒロインたちも「負け」を冠するヒロインなもので。思わせぶりなことを言ったり独占欲を見せたりと、ヒロインズの言動の随所にデレの気配が感じられてニヤニヤ度は高いのだけど、これ以上ができないのが負けヒロインの負けヒロインたる所以だよなあ(苦笑) いい人と負けヒロイン。。。あかん、あと10巻続いてもラブコメらしいお付き合いエンドのゴールが見えない。
いい青春だった。恋愛への道は果てしなく遠いけどw
次回から二年生編。残念な負けヒロイン下級生が入ってくるんですね、わかります!
恐らくヒロインが増えることだし八奈見さんはそろそろヒロインムーブしとかないと……無理そうだ。今回もカロリークイーンの道をひた走っておられたし。羊羹二竿って字面だけで胸焼けしそう。アンデッド化が止まらない(腐っていってるという意味で)天愛星共々もう手遅れだろう(涙)